2021-09-26

【北アルプスを走って考えた】身体能力は、複利で伸びる


今回のルート
中房温泉→燕岳→大天井岳→蝶ヶ岳→徳沢→上高地


北アルプスを走る時に、考えていたこと。

こんなにガタガタな地形をなぜ、人間はバランスをとりながら一回も転ばずに移動できるのだろう。
人間の能力は信じらないほど高性能。

4本足であれば、動力に4つの足に使う。
全力を使えば、短時間に一気に動けるが、長時間動けない。
人間は、2本の足に使っているが、両腕が空いているために、動力を制限して進むことができる。
しかも、2本の足を移動する際に、平地や下りであれば利用しているのは傾きによる重力。

傾ける動作さえできれば、一歩前に進むことができる。

その一歩前に進むめるために、体重移動をする。
腸腰筋を始め、体幹のミトコンドリアが多い深層の筋肉群を利用する。
体幹を安定させるために、腹横筋を始め、肋間筋も利用し、脊柱起立筋群も利用。
24時間使った後の筋肉疲労から考えると、足の先からほぼ、頭皮まで全て使っている気がしている。
唯一首周りだけが筋肉痛感がない。

一本の足で接地した瞬間に、体幹の安定性があり次なる足の準備ができていれば
理論的には、忍者が水面を移動するように素早く移動できるはず。

そんなことを考えながら、山を降りたり走ったり。

もう、この辺りでそろそろ、2本足だけでは迷惑をかけてしまうかなと
感じたのが、今回
大天井岳から、常念岳を登り、蝶槍に向けての登り。
足が終わった感じがあった頃、「ストック使ったら、せっかく持ってきてるんだから」
のパートナーTさんの一声で取り出した。

ストックを使うと、すぐに頭のイメージでは4本足歩行に切り替え。
肩甲骨を含む、上腕や広背筋を思いっきり使うことができるため、足の負担を半分近くまで軽減させることができる気がしている。
下斜面でも、重心の位置がストックを利用できることで、常にど真ん中の中心に着地がしやすい。
実質3本足着地にすることができるので安定性が全く違う。

ただ、足や体幹の練習には、大幅に負担が軽減してしまうのは仕方がないか。

人間本来は、2本の足で驚く速度で降りれるようにできているな。

下斜面を降りながら感じる。

着地する瞬間のバランス感覚が特に面白い。

足裏の力が抜けた状態から始まり
4割ほどが踵外側から小趾側からバランスをとりゆっくり移動し、
母趾側に6割ほど重心が乗る瞬間に次に移動。

確かに歩行のプロセスに近い方があるのだが、路面の形状により勝手にアジャストして対応している。
力が入ると、全身が強ばり怖さが出るが
力が抜けると、素早く足が置いていける。

調子がよく、一気に走れる時は全く怖くないのもトレイルの面白さだ。

今回のルートでは、蝶ヶ岳から、徳沢まで一気に降りるルートなので
降りることに関して考える時間が多かった。

足裏は、力を抜いて全体で着地を意識。
着地と同時に、股関節を前方へ回旋させる意識をする。
やりすぎると、体幹が油断して抜けていたり、着地が長すぎたりもする。

考えながら動かすことには、ほんと終わりがない。

目線は、先と、手前の位置を交互に意識する。

最近は、トレイルを走った後のスマホの見やすさに驚くこともある。
老眼のトレーニングで、遠近を動かすこと
大きく回すことを行うが
トレイルの中を走ると、自然に目線は動かさないいけないので素晴らしいトレーニングにもなる。

目線で行きたいところへ移動しながら、足は素早く切り替え重心を移動して
同じパターンが全くない山道を降りていく。

この能力こそ、人間の本来持ち味ではないと感じている。

ガタガタの岩場や、砂地やゴロゴロサイズが違う石の上を
降りてくれるカラダの能力に驚きぱなしである。

今回の経験を踏まえると
現在の速度は、山と高原の地図で書かれている時間の×0.6移動ができる。

体感覚では、
登り コースタイム× 0.7
降り  コースタイム×0.7
平地  コースタイム×0.4

余裕がもう少し場数が踏めれば楽に、より安全に移動ができそうな感じがする。

登りも降りも、決して得意ではない。
動くカラダの仕組みを、実践し感じながら調整しているのが一番楽しい。
解剖学的な筋肉で考えると、驚くほどのオートマチックな身体に感動しっぱなしである。

そして、脳の守るために能力。
生まれてから現在までの失敗事例に沿って、安心でない状況を感知すると
いろんなシグナルを出して対応してくる。

・木で組まれたハシゴは滑りそうで怖い
・細かい、足を置いた時に左右に揺れる石は捻挫しそうで怖い
・急な下りの砂地も滑ったら危ないので怖い
・大きな石の傾斜も滑りそうで怖い
・濡れて少し、木の面が滑りそうになっている根っこも怖い。

怖いものだらけに感じさせる。笑

その度に、考えながら実験してみる。

手を広げてバランスを上にとってみる
素早く足を切り替えてみる
少し前傾を強くして、真下に着地を意識する
目線を先に送り込んでみる
膝を曲げて丁寧に吸収する

などなど。

でも頭で考えても動かない時は動かない。
もっと早く足を切り替えて、次なるステップに行けばいい。
だが急に止まれないために急遽コントロールを失ってしまうリスクに備え、ブレーキ気味になってしまったり。。笑

これが、また疲れている大腿四頭筋やハムストリングにダメージを与えてくれる。

下肢の形状を考えると、股関節の屈曲動作を、球面に合わせて丁寧に促せばいいのだけど
なかなか思い通りにできない。

足先の力を先まで抜いて、足の裏全体で地面の力を受け止めて素早く股関節の動作に伝える。
股関節が曲がった時には、反対側の足裏で地面をキャッチする。

ずっと、自分の身体とそして、路面と会話しながら、移動。
油断して、疲れてくるとつまづいてみたり。。


※帰ってきたら、アルトラロンピーク5は傷だらけ。笑

でも、下山した時の充実感は他では味わえない達成感と感謝の気持ちで一杯になる。

今回のコースは、徳沢から上高地まで
砂利の道が2時間コースタイム分あった。

だが、このコースも、今の僕の足なら走れる。
5kg程度を背負って、キロ5分半ほどで移動。わずか1時間弱で上高地温泉まで走れた。
ほんと、綺麗な川の音を聞きながら、山の景色を感じながら
人間の素晴らしさに感動しながら、短かったけでど、長かった
人生初、北アルプス25時間が終わった。

こんな私も、
10年前には、全く走れなかった。
代々木公園一周を顔真っ赤にして
妻から、「顔がタコみたいになってるけど大丈夫?」と心配されてながら走ってきたのが懐かしい。

当時の自分であれば登ろうとすら思わなかったし、山の景色にすら興味がなかったと思う。
トライアスロンを目指し、渋谷区東のプールで歩行レーンで息継ぎ練習から開始、泳げなかったところから、アイアンマン完走までできたら、急にマリンスポーツがやってみたくなった感覚と同じだ。

海が怖く無くなった時、サーフィンやカヤック、ボートの世界が広がった。
山が走れるようになったら、北アルプスに登り景色が見えてきた。
次に、見えてきている世界も楽しみだ。

ちょっとのきっかけで、大きな自信につながり、人生が変わる。
動けるカラダが手に入ると、動ける幅が広がる。
体力の向上は、人生の楽しみの幅が広がる。

日本の運動習慣は、大学生以降ではほぼ無くなっている。
社会人、子育て、老後に進むと、介護を13年間受ける状況になってしまう。

人間は、歩く動物である。
同時に、
”生き残る動物は、走ることできなければならない”。

一人でも多くの方が、日々の生活で動けるカラダでいるために
姿勢治療家の使い方を身につけて欲しい。

そして、一緒に、今よりも動けるカラダが当たり前の社会を残していきたい。
健康介護問題は、動ける大人、運動できる大人が増えない限り明るい未来はない。

アインシュタインは、複利で増える仕組みを人類最大の発見と言ったそうだ。
体力や健康も、急に増やすことはできないが、毎年積み上げたものを基本に更なる積み上げができる。

一人でも多くの方が、カラダの使い方を学び使えるように。
そして、長く健康で過ごせる時間が延ばせるように。

自分のからだを通じて、学んだことを伝え、実践できる方を増やしていきたいと思う。


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