手根管症候群は治りますか?
よくご質問を頂きます。
来院させている方の奥さまや、ご友人で多くの方が困られており
質問されることが多いです。
その理由は、整形外科で
多くの場合が、手術ですね。といわれてしまうため。
手術はちょっと。。と考えて躊躇させていることが多いためです。
手根管症候群は
□妊娠中や産後の女性に多い
□手をよく使う女性に多い
疾患です。
症状としては
□指先特に人差し指、中指、親指のシビレ感
□夜中や明け方にシビレや痛みで起きてしまう
□缶を指で開けることができない。
□親指の筋肉がすこし落ちてきている
手のこの茶色の部分が
シビレたり痛みがでることが多いです。
(出典:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第二版)
こんな状況です。
手根管は、骨と靭帯で囲まれた空間です。
”手根骨”と言われる5個の骨
舟状骨
有頭骨
有鈎骨
三角骨
豆状骨
と
屈筋支帯(横手根靭帯)に囲まれた部分です。
(出典:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第二版)
よりアップにすると
こちらの青色で囲まれた部分を手根管といいます。
(出典:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第二版)
手根管の中にとおている腱が10本 神経が1本通っています。
浅指屈筋(4本)
深指屈筋(4本)
長母指屈筋(1本)
橈側手根屈筋(1本)
正中神経(1本)
簡単に何をしている筋肉かを説明すると
・指を曲げる
・手首を曲げる
・肘を曲げる(補助)
これらの動きをする筋肉が、動作をするための指示をする神経と一緒に通っている通り道が、手根管です。
この筋肉腱が、繰り返し手を使うことで肥大したり
蓄積性損傷サイクルの仕組みで筋の癒着や繊維化が起こっている症状です。
※参考まで。以前のブログ(毎日のキーボードで痛めている事実)
実際に手根管の神経と、腱の関連性をみるとこの図のような感じです。
筋肉と一緒に神経が通過しています。
この✓箇所の黄色部分が神経です。
(出典:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第二版)
この神経が、痛みやシビレをおこしてる問題の正中神経です。
この神経は、脳から脊髄に頚椎4〜胸椎1からっでた神経が
分岐して手の先まで走行しています。
(出典:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系 第二版)
この距離をつながっている神経なので
この間にある全ての筋肉や関節の影響を受けてしまうことも事実です。
出産後の女性の多いのも人生の中で、一番腕を使っている時期のためです。
子供の重さが5000g が成長すると6000g と
どんどん重くなってきますが、
現在の女性は今まで5kgや10kgのものを毎日持っているような生活をしていません。
せいぜい学校のカバンや、ハンドバック程度が多いかと思います。
それが、子供が生まれた途端に、大きな荷物を毎日もったり、掴んだり、持ち上げたりしています。
その繰り返しの急な筋トレで手首の部分を特に痛めてしまうケースが多いのが
この手根管症候群の特徴です。
なので、まずは、人生で一番酷使してしまった体に
感謝をしながら、体全体をしっかりメンテナンスする時間を取ることが大切です。
経験上、手だけが問題を起こしているということはありません。
姿勢が悪くなっていたり体幹から子供抱っこできなかったり
すでに腕が痛いために、無理な持ち方をしていたりします。
診療中に「手根管症候群って治りますか?」と聞かれることもあります。
その時にお答えする場合は
「拝見しないとわかりません。ご来院される場合はまず、3回がんばってみてください。
ほとんどのケースは、他にも原因があり
治療後、改善され喜ばれるケースが多いです」と伝えています。
定期的に診療しながら
手根管症候群にならないように気をつけた方がよい職種の方
・小さな子どもさんが多いお母さん
・縫製をおこなうデザイナーの方
・ピアニスト
・キーボードが多い方
・庭仕事が多い方
繰り返して同じ動作が多い方危険ですよ。
気をつけてくださいね。
体を見直す時間は、人生を見直す時間です。
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家(R)仲野孝明
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