「モンベルの座学で学んだ、地図読みの基礎」
目次
はじめに
山に行くとき、GPSやアプリに頼っていませんか?
僕自身も「地図はそこそこ読めるはず」と思っていたのですが、実際には等高線を正しく理解できておらず、オリエンテーリングのレース(OMM)では大失敗したこともあります。
「この上にチェックポイントがある」と思って登ったら崖の上でたどり着けなかったり、距離が短いからすぐ着くだろうと思ったらアップダウンが多く、時間が倍以上かかったり…。
そんな経験から「せっかく山に行くなら、もっと基礎から学び直そう」と思い、参加したのがモンベルの座学 『登山ガイドに学ぶ 地図読み講習会(店内講習)』 でした。
講座の雰囲気
講師は、山が好きで山岳ガイドになられた 登山ガイドカネコ先生。
受講生は50代の真面目な方が6名ほどで、落ち着いた雰囲気の中で進みました。
配られた資料は、先生が自作したA4用紙2枚と地図2枚にぎゅっと要点をまとめたシンプルなもの。だからこそ無駄がなく、重要なことだけに集中できました。
少人数のクラスだったので、質問もしやすく、一人ひとりがじっくり学べるのがありがたかったです。

学んだポイント
1. 地図の種類と入手方法
登山で使う地図にはいくつか種類があります。
地形図(1:25,000)
国土地理院が発行しているもので、登山やバリエーションルートでよく使います。
- 入手方法は「MAP25000」でダウンロード。
設定は「淡色地図・普通品質・A3・1/25000 磁北線 1kmピッチ」。
磁北線にチェックを入れておくととても便利です。 - 印刷は自宅でもできますが、プリンターがなければコンビニのネットワークプリントサービスでOK。
- 出力した地図はジップロックに入れて持ち歩きます。折り方もジップロックに合わせれば大丈夫とのこと。

地理院地図https://www.gsi.go.jp/(オンライン版)
印刷はできませんが、「妄想登山」に最適。画面を見ながら計画を立てるときに役立ちます。
登山地図(山と高原の地図・1:50,000)
昔から登山者に親しまれている定番の地図。アマゾンや書店、山小屋でも購入できます。
価格は1冊1,500円ほど。
特に山小屋で相談するときや複数人で計画するときにはとても便利です。
僕も長年使ってきましたが、これからは地形図の出力を増やしていこうと思いました。
GPSアプリ
ヤマレコ、YAMAP、山と高原の地図など。
スマホで現在地を確認できるので「迷わない」ための強い味方です。
僕は「山と高原の地図」のアプリを長年使ってきましたが、最近山で会う方々はYAMAPユーザーが多い印象です。
大事なのは、ただ地図を見るのではなく、山頂・建物・分岐などユニークポイントごとに確認すること。これで迷うリスクをぐっと減らせると学びました。
2. 地図の役割

現在地の把握
地図を読むうえでまず大切なのは、自分が「今どこにいるか」を知ること。
そのためには、ユニークポイントを見つけます。これは分岐、建物、橋、送電線、谷の形など、地図と実際の風景を重ねたときに「ここしかない」と特定できる場所のこと。
今回の講習で初めてこの「ユニークポイント」という言葉を知りましたが、とてもわかりやすく腑に落ちました。
ルートの予測
次に大事なのは、現在地から目的地までのルートをイメージすること。
地図を見ながら、実際に見えている尾根や谷を照らし合わせて進みます。
ここで強調されていたのは、地図は迷わないために使うものだということ。
「迷ってから開く」のでは遅すぎるので、常に確認しながら歩くことが大切です。
磁北線の重要性
もうひとつ印象的だったのが「磁北線」の存在。
地図そのものは真北を示しません。地球の自転軸が傾いているため、実際の磁北(コンパスが指す北)とはずれがあるのです。
場所によってその差は違うので、プリントアウトするときに「磁北線を表示する設定」にしておくのが重要。これを引いておくだけで、コンパスを合わせやすく、迷いにくくなります。
3. 地形図の読み方
距離の感覚をつかむ
1/25,000 の地図では、1cm=250m。
縮尺に慣れるコツは「末尾2桁を消す」こと。
たとえば 1200m → 12cm といった具合です。
- 1/25,000 の地図:1cm=250m、1mm=25m、4cm=1km
- 1/50,000 の地図:1cm=500m
こう覚えておくと、地図を見ながら距離感をつかみやすくなります。

等高線の基本
- 等高線は 10mごと に描かれている
- 50mごとに太線 が入る
- 線の間隔が狭い → 急斜面
- 線の間隔が広い → なだらかな斜面
地図の線の詰まり具合だけで、そこが「キツい登り」か「歩きやすい尾根」かが分かるのは面白い気づきでした。
コースタイムの目安
登山では距離だけでなく標高差が重要。
計算の目安は以下の通りです:
- 標高差100mアップ:15〜20分
- 標高差100mダウン:10〜15分
たとえば300m登れば1時間、300m下れば45分。
この計算を地図上で組み立てておくと、行動計画がぐっと正確になります。
山の地形を読む
- ピーク(山頂):等高線が丸く閉じている部分
- 尾根:ピークから外に張り出している部分
- 谷:ピークに向かって凹んでいる部分
- 鞍部(コル):ピークとピークの間で、登りと下りが切り替わる場所
→ 等高線が向かい合って描かれるのが特徴
→ 「乗越(のっこし)」や「キレット」とも呼ばれる
実際にこの意識で地図を眺めてみると、「ここが尾根か」「この凹みが谷か」とイメージがどんどん湧いてきました。

4. コンパスの使い方
コンパスは「北を知る道具」ですが、それだけでなく、目的地までの方向を導いてくれるナビゲーションツールです。

コンパスの基本
- プレートコンパスには前と後ろがあり、大きな矢印が前。向きを間違えないように注意。
- 使うときは必ず水平に、体の前で。コンパスを回すときは体ごと動かすのがコツです。
- 地図は北が上、南が下。まずは「整地(せいち)」といって、地図を実際の景色に合わせることから始めます。
コンパスは壊れない
講習で強調されていたのが、「コンパスは壊れない」ということ。
たとえ針が少し狂っても、磁石を当てれば戻るので、一生ものの道具だと感じました。
迷ってから使うのでは遅い
コンパスは「迷ったときの最後の手段」ではなく、常に地図とセットで使うことが大事。
ユニークポイントごとに地図を確認しながら進めば、迷う前に方向を修正できます。
ナビゲーション3ステップ
コンパスで目的地へ進む方法は、次の3ステップでシンプルです。
- ターゲティング
現在地と目的地をコンパスの長辺で結ぶ。 - メモリー
カプセルを回し、「カプセルの矢印」と「地図の磁北線」を平行に合わせる。 - 磁北を合わせる
コンパスごと体を回し、「カプセルの矢印」と「コンパスの赤い針」が一致した方向へ進む。
これで目的地へ正しく向かうことができます。
実践のコツ
カネコ先生のアドバイスは「とにかく回数をこなすこと」。
特に夏山では、短い距離をコンパスだけで移動してみて、到着地点で「思った通りの場所かどうか」を確認する。これを繰り返すことで、実際の感覚と地図のイメージが一致していきます。
実際にどう活かす?
まずは週末の登山から練習です。
送電線や短い距離を区切って、コンパスと地図を照らし合わせながら歩いてみる。ポイントは 「細かく区切ること」。
講習会で実際にやってみたときも、「思ったより難しくない」と感じました。
早速、MAP25000で上高地の地図をダウンロードしてコンビニで出力。次の登山から実践していきます。

誰におすすめか?
地図に少し触れ始めた人
登山をこれから本格的に楽しみたい人
GPSやアプリも心強いですが、自分で地図を読めるようになると安心感は段違いです。
僕自身はTJAR(トランスジャパンアルプスレース)の準備で、ルートファインディングの力をつけるためにこの講座を受けました。大きな挑戦に向けた学びでもありましたが、普段の登山にもすぐ役立つ内容でした。
まとめ
今回の座学で一番の気づきは、**地図読みは“知識”ではなく“習慣”**だということ。
「迷ってから開く」のではなく、歩きながら小さなポイントで確認を繰り返す。
その積み重ねが、山での安心感を育て、冒険の幅をどんどん広げてくれます。
初めてのモンベル講習会でしたが、学びが多く、とても充実した時間になりました。
丁寧に教えてくださった山岳ガイドのカネコ先生、本当にありがとうございました。
関連リンク
- 山と高原地図(昭文社公式オンラインショップ)
登山地図の定番。紙の地図は計画にも現地確認にも便利です。
👉 山と高原地図|昭文社公式サイト - MAP25000
登山で使いやすい地形図を無料でダウンロード可能。縮尺や磁北線を設定して印刷できます。
👉 Map25000 - 地理院地図(オンライン版)
妄想登山や下調べに最適。実際の地形を3D表示する機能もあり、事前のイメージづくりに便利です。
👉 地理院地図 - YAMAP(GPSアプリ)
スマホで現在地を確認できる定番アプリ。登山者同士の情報共有も可能。
👉 YAMAP公式サイト - ヤマレコ(GPSアプリ)
登山記録やルート共有に強いコミュニティ型アプリ。
👉 ヤマレコ公式サイト






















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