2025-03-21

渋谷から赤坂見附まで。それって“1里”です

「今日は何歩いた?」
スマホや万歩計が当たり前になった現代、そんな会話をすることも多くなりました。
歩数で健康を管理する時代。それはそれで便利だし、励みにもなります。

でもふと思うのです。
「その1万歩って、どれくらいの“距離”なんだろう?」


■ 歩数だけではわからない「歩いた実感」

1万歩と言っても、人によって歩幅はさまざまです。

  • 歩幅が大きい人なら約7〜8km
  • 小柄な人なら5〜6km程度

つまり、同じ「1万歩」でも、実際に歩いた距離や運動量には差があります。

「今日はどれくらいの距離を移動したのか」
「どのくらいの空間を、自分の足で感じたのか」
そうした“体験の質”まで見えてくるのが「距離」の魅力です。


■ ローマの兵士は「1マイル=1,000歩」で測っていた

距離の感覚を「歩くこと」で測っていたのは、今に始まったことではありません。
古代ローマでは、「1マイル(Mille passus)」という距離単位が使われていました。
これはその名の通り、「1,000歩(右足・左足のセットで。つまり2,000歩)」を意味し、約1.48kmの距離でした。

ローマ時代の最強の軍司令官カエサルの兵は、1マイル=15分を基本に設定していたそうです。
さらにこの速度を上げ、1マイル13分30秒で移動するスピードで、**1万人の兵士が5時間で22マイル(約32km)**を移動していたという記録もあります。
これは驚異的な身体コントロールです。

現代に換算すると、東京駅から横浜駅ほどの距離になります。
しかもアスファルトではなく、起伏のある地形を、約20kgの荷物を背負って5時間で移動していたというのです。


■ 日本の「1里」は“1時間”の距離だった

日本でも、江戸時代には「1里(約3.9km)」という距離単位が使われていました。
これもまた、「人がゆっくり歩いて1時間かかる距離」をもとにした、感覚的な単位です。

「ゆったり歩いて」というのがポイントで、私が東海道を走った時も、各所に「一里塚」が残っており、旅人が距離の目安にしていたことが実感できました。

街道には「一里塚」と呼ばれる土盛りが置かれ、旅人たちはそこを目印に、現在地や残りの距離を把握していたのです。

写真は島田市にあった一里塚


■ 「体で測る距離感」を、もう一度取り戻そう

歩数が可視化される現代は便利です。
GPSもあるので、距離も速度もわかりますが、「1時間歩くと、どれくらい移動できるのか」、「走ると、どこまで行けるのか」を感じている人は意外と少ないかもしれません。

文明の進んでいなかった時代、**「4里の距離なら、ゆっくり4時間歩けばたどり着ける」**という共通認識が、人々の中にありました。

**健康に生きるためにも、「自分は1時間でどこまで行けるのか」**を改めて感じてみるのは、大事なことではないでしょうか。

山道を歩くと、「目の前に見えるあの山は、2〜3時間で登れるな」と、視界と時間の感覚が自然と結びついてきます
自分の足で1時間にどれだけ歩けるかという感覚は、現代人にとってとても大切なスキルになっている気がします。

こうした「距離の体感」は、身体の使い方や姿勢、疲労の出方、そして達成感にまでつながる、大切な感覚になるのではないでしょうか。

ちなみに、渋谷から赤坂見附までの距離がおおよそ3.9km=1里
Googleマップで徒歩ルートを調べると、約54分前後と出るので、やはり「1時間に1里」は、現代でも通じる感覚なのです。


■ 距離を意識すると、日常が少し豊かになる

  • 「今日は6km先のカフェまで歩いてみよう」(約1時間半)
  • 「1里分(約4km)歩く散歩コースを作ってみよう」
  • 「毎週末は10kmのウォーキングチャレンジ」(約2時間半)

こんなふうに、自分の“歩く距離”に意識を向けると、生活の中に冒険と達成感が生まれます。


【まとめ】

「歩数」だけじゃ、もったいない。
「今日は何キロ歩いたか」「どんな距離を、どう感じたか」
そこに意識を向けるだけで、毎日の一歩がもっと意味あるものになるはずです。

古代ローマの兵士も、江戸の旅人も、自分の足で世界を測っていました。
あなたの今日の一歩も、未来の自分につながる距離かもしれません。

1時間、歩ける體(からだ)感覚を取り戻そう!!
姿勢治療家(R)
仲野孝明


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