仮眠室で整える|客室乗務員のための疲労リセットストレッチ
─ 早く出会えたらシリーズ Vol.8 ─
こんにちは。姿勢治療家の仲野孝明です。
今回ご紹介するのは、客室乗務員(CA)として世界を飛び回る方が、仕事の合間に実践して効果を実感された「機内でできるストレッチ」のお話です。
もともとは、肩こりと腰痛で当院に来院されました。 仕事中に行えるストレッチをご案内していましたが、現実的には客席へのサービス提供中に思い出して実践するのが難しく、「勤務中にはできません」とのこと。
そこで、実際の勤務環境をさらに詳しく聞き取り、どこでならできるかを一緒に考えた結果たどり着いたのが、クルーバンク・クルーレスト(仮眠室)を活用したストレッチ法でした。 今回ご紹介するのは、客室乗務員(CA)として世界を飛び回る方が、仕事の合間に実践して効果を実感された「機内でできるストレッチ」のお話です。
※ヨガマットやカプセルホテルなど限られた空間でできます。
※身体が硬すぎる方や、痛みなどがある方には向きません。少し身体が動かせる方向けです。
目次
▶ クルーバンク・クルーレストという空間を活かす
CAの皆さんは、フライト中にとても限られたスペースと時間の中で働いています。私が担当している患者さんの中にも、首肩こりや腰の疲労に悩む方が多くいらっしゃいます。
特に長距離路線では、休憩時間=仮眠時間となり、体を動かす余裕すらないことも。
そこで今回ご紹介したいのが、クルーレスト(仮眠スペース)でできるストレッチです。

イメージ写真です。
実際に取り入れていただいたのは、
- 股関節と臀筋(お尻)の柔軟性を高めるストレッチ

実際に行うのはこちらです。
1)股関節を回旋させることで臀筋をストレッチ
2)後ろ脚を伸ばすことで、腸腰筋を含む伸展筋のストレッチ

3)背骨を上に引き上げる意識
4)お腹を下に落としながら背骨のカーブを取り戻す
5)脊柱を頭から一つずつ回旋させていく動作

6)丁寧な呼吸を行い全身のストレッチを感じる
7)指先を遠くに伸ばすことで、側面など気になる箇所を伸ばす

精度は必要ですが、しっかりできるようになると一つの動作でかなり改善されます。
最小の動作で、弱点をカバーできるように、今やるべきことをお伝えすることも行っています。
仮眠に入る前や、目覚めた直後に軽く行うことで、
- 腰のだるさが軽減された
- しゃがみやすくなった
- 呼吸がしやすくなった など、その後の業務パフォーマンスが向上したと喜びの声をいただきました。
▶ ストレッチだけでは足りない…「動くこと」も必要です
実はその方、もともと適度なストレッチは職場でも指導があり行っていたそうです。
しかし、実際に身体は一人一人が身長と体重が違うため、作業により負担を感じる箇所は一人一人違います。
- 狭い通路での移動(動きにくいカート:機首方向が少し上がっているため登り坂になっている)
- 長時間の立ちっぱなし
- 気圧や寒さの変化
こうした環境下から改善させるには、よりダイナミックな血流促進が必要です。
そこで私がおすすめしているのが、30分走れる体をつくることです。
もちろん、いきなり30分は大変。最初は「赤信号を渡る時の軽いラン」くらいでOK。
外を歩きながら、ほんの数十秒だけ走ってみる。 それを何度か繰り返すことで、
- 毛細血管の発達
- 冷えの改善
- 内臓の活性化 など、体の中から元気になれる変化が起きてきます。
▶ ランニングが時差対策にもなる理由
「運動=疲れる」ではなく、 「軽く動いてから寝る」ことで睡眠の質が上がるという発想が、時差ボケ対策にとても有効です。
特に海外に着いた直後や、ホテル滞在中に
- 軽く走ることで、全身の筋肉を隅々まで動かすことができます
- 自律神経のリズムが整います。交感神経を優位にすることで、副交感神経の働きが良くなり時差ボケ対策になります。
- 心拍数が上がることで、呼吸の深さ が整っていきます。
睡眠→覚醒→活動のリズムがスムーズになり、 「現地で疲れて何もできなかった…」という状態から抜け出すヒントになります。
まずは、休日に ”リセット小走り”をしてみるところから。(当院の水曜飛脚もオススメです。)笑
▶ 仕事のパフォーマンスを高める“動ける体”へ
客室乗務員という素晴らしい職業を、もっと快適に長く続けるために──
ぜひ、
- クルーレストでのストレッチ
- 現地での軽いランニング を取り入れてみてください。
動ける体があるだけで、仕事の質と人生の質は確実に変わります。
あなた自身のリズムで、健康のベースを整えていきましょう。
一度きりの人生を、しっかり養生できるように。
【医者より養生、薬より手当】──創業大正15年から受け継がれる、仲野整體が大切にしている信念です。
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家(R)仲野孝明
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