10年ぶりのハーフで自己ベスト更新。でも、かなり危なかった話
こんにちは。
姿勢治療家の仲野孝明です。
先日、葛飾ふれあいランフェスタで、10年ぶりにハーフマラソンを走ってきました。
結果は、1時間44分33秒。(昔のブログ)
42歳の時に出した1時間49分9秒を更新し、ハーフマラソンの自己最高タイムになりました。
※過去の大会などは、こちら。
これは素直にうれしかったです。
10年経っても、年齢を重ねても、体をきちんと使えていれば能力は落ちる一方ではない。むしろ、積み上げ方次第では、過去の自分を超えられる。そんな手応えがありました。
ただし――。
今回のレース内容は、まったく褒められたものではありません。
むしろ、かなり危なかったです。
時計を持たずに走るという実験をして、序盤5kmを4分20秒台で突っ込み、早々にオールアウト気味。そこから長い苦しさを引きずる、かなり無謀なハーフマラソンになりました。
自己ベストは出ました。
でも、今回の走り方はおすすめしません。
今日は、その『うれしかったけれど、かなり危なかった10年ぶりのハーフマラソン』について、姿勢治療家として感じたことも含めて、正直に残しておこうと思います。

目次
今回ハーフマラソンを走った理由
今回は、私が部会長をしている東京ニュービジネス協議会アクティビティ同好会のイベントとして参加しました。
2km、3km、10km、ハーフマラソンと、それぞれの距離に挑戦する方がいて、初めて大会に出る方も多いイベントでした。
そういう場に一緒にいられるのは、本当にうれしいことです。

私は普段、姿勢治療家®︎として体を整える仕事をしています。
でも、整えるだけで終わってはいけないとも思っています。
人間の体は、やはり使ってこそです。
歩く。走る。移動する。
本来の動きを取り戻していく中で、体は変わっていきます。
だからこそ、初めてレースに出る人が増えることに、大きな価値を感じています。
今回も、ゴール後にもらえる表彰状を、大人になってから全力で走ることに挑戦した皆さんが、本当にうれしそうに受け取っていたのが印象的でした。
速いか遅いかではなく、自分でやり切った経験は、人を前向きにします。あの表情を見て、やはりこういう場はいいなと思いました。
葛飾ふれあいランフェスタは、挑戦しやすい大会だと感じた
今回、後から気づいて驚いたことがありました。
それは、10kmのスタートが12時で、ハーフマラソンが9時スタートだったことです。
レースに初めて参加するときは、「まずは10kmかな」と考える方も多いと思います。
でも、この大会はハーフに足切りがありません。
そう考えると、挑戦する方にとっては、実はハーフの方が落ち着いて最後まで進みやすい面もあるなと感じました。
ハーフマラソンと聞くと、特別に長い距離に聞こえるかもしれません。
でも、丁寧に準備していけば、決して“限られた人だけの距離”ではありません。
むしろ、人生で初めての大会としても魅力のある距離です。
きちんと向き合えば、十分にたどり着ける距離だと思います。
私は、無謀にも初レースがフルマラソンで痛い目を見たタイプなので、やはり丁寧に挑戦していくことをおすすめしています。
その意味でも、足切りがないというのは、この大会の大きなアドバンテージだと思います。ぜひ多くの方に挑戦してほしいです。
今回は万全ではなく、かなり無謀な条件で走っていた
今回のレースは、いわゆる「仕上がった状態」ではありませんでした。
スピード系の練習は行っておらず、普段走っても6分30秒/km程度の速度。
さらに、数日前には与那国島で25kmを2回走っていて、疲労も残っていました。
睡眠不足もあり、体にはすでに負荷がかかっている状態でした。
しかも今回は、ゴールデンウィークに予定している7Days飛脚380(四日市から東京まで走る100周年イベント)を見据えて、あえて負荷がかかった状態のまま、さらに刺激を入れるという調整をしていました。
今振り返ると、かなり乱暴です。
特別な準備はしていません。
いつも通りの流れの中で参加し、その上で今回はひとつ実験を入れました。
それが、時計を持たずに走ることでした。
時計を持たずに走ってみたかった理由
時計を見ずに走るのは、ほぼ10年ぶりに近かったと思います。
今回は、自分の感覚がどの程度通用するのかを確かめたくて、あえて時計を持たずにスタートしました。
どのくらいの速さで入っているのか。
今の自分の速度感覚はどれくらいあるのか。
呼吸や苦しさ、姿勢の感覚だけでどこまで調整できるのか。
そこを知りたかったのです。
意識していたのは、姿勢を崩さないこと。
苦しくなっても背伸びを意識すること。
息をしっかり吐くこと。
そして、走りながら自分の体を観察し続けることでした。
ただ、今回のレースで痛感したのは、練習していない時ほど感覚は信用しすぎてはいけないということです。
走れている時は、自分の速度感覚がかなり明確です。
4分45なのか、5分なのか、4分15秒なのか。その違いがかなり細かく分かる状態です。
でも、練習不足になると、それが一気にざっくりします。
つまり、感覚の精度が落ちる。
今回の失敗は、まさにそこから始まりました。
スタート直後、完全に失敗した
今回の失敗は、かなりはっきりしています。
最初の5kmまで、4分20秒台で入ってしまったこと。
完全に飛ばしすぎでした。
スタートして間もなく、体の中ではもう警報が鳴っていました。
「やばい、これは速すぎる」
「このままだと持たない」
そんな感覚は、かなり早い段階からありました。
車で言えば、サイドブレーキを引いたままアクセルを踏んでいる感じです。
そりゃそうです。
直前まで6分30秒/kmくらいでしか走っていないのですから。
そして5kmの時点で、すでに思っていました。
**「失敗した。このまま辞めたい」**と。
ただ、さすがに周りでみんなが走っている中で、そんなに早くやめるわけにもいかない。
もう少し苦しもう、と諦めたというのが正直なところです。
本来ならもっと慎重に入るべきでした。
ところが今回は、その真逆をやってしまいました。

10kmで、まだ半分あることに絶望した
5kmで失敗を確信したあとも、そこから急に楽になるわけではありません。
10kmの時点では、まだ4分50秒/km前後では走れていました。
でも感覚としては、かなりギリギリでした。
「まだ半分か……」
その感覚が、かなり重かったです。
ペースを少し落としても心拍が戻らない。
全体の流れの中ではそれ以上うまく落とし切れない。
落としすぎれば終わるし、維持しても苦しい。
そんな一番きついところに入ってしまっていました。
このあたりは、脚の苦しさというより、単純に呼吸の苦しさでした。
心拍もかなり高いだろうと思っていましたが、後で確認するとほぼ180。
よくこんな心拍で耐えられるものだなと、自分でも驚きました。
姿勢を保とうとしても、だんだん雑になりそうになる。
かなりしんどい展開でした。
15kmでは、本当に後悔しました
15kmあたりは、向かい風もかなり強く入ってきて、さらに苦しくなりました。
このあたりでは、5分/kmがギリギリ。
そしてここで、かなりはっきり気づきました。
「もう5分を維持するのも厳しくなっている」
それが分かったのは、1時間40分のペーサーに追いつけないところからでした。
横から集団の足音が近づいてきて、微妙に足りずに離されていく。
「まじか……」という感じでした。
周囲の方のフォームを見ると、だいたいランニングレベルは分かります。
でも、そのフォームが乱れている方にさえついていけない状況で、かなりショックでした。
ついていきたいのに、体がそれを許してくれない。
本来なら、向かい風では前の人の後ろについて走る、いわゆるドラフティングランのような形も使いたいところです。
この集団についていければ、かなり助かったはずでした。
トライアスロンなどでも、向かい風の中ではそうした工夫が生きます。
でも今回は、その同じペースで走りたい相手に、ギリギリ足がついていかない。
ここが大失態でした。
向かい風では前につきたかったのですが、その“少しの加速”すら踏めないほど終わっていました。
オールアウトしすぎていて、前につくためのほんの少しのアクセルすら踏めない。
その状況が、自分でも少し笑いたくなるくらいでした。
「これはもう、しょうがないな」という感じです。
ただ、しょうがないで済ませてはいけないのも、また事実です。
この時点で、序盤の入り方がどれだけ乱暴だったかを痛感しました。
ここからは、さらにボロボロです。
19kmでかなり落ちた。でも最後は少し戻してゴールできた
19kmでかなり落ちた。でも最後は少し戻してゴールできた
15km以降は粘るしかありませんでした。
19kmでは、5分30秒/kmまで落ちました。
ここまで来ると、もう完全に序盤のツケを払っている状態です。
「このままだと2時間かかるのでは」と思うほど、動かなくなっていました。
ただ、そのまま崩れ切ったわけではありません。
最後の21kmに向かうあたりでは、何とか5分/km付近まで戻してゴールすることができました。
内容としては、やはり大失敗のレースです。
でも、その中でも最後まで粘って、完全には切れなかったのは、ひとつの収穫ということにしておきます。
平均心拍180のレースをこなしていたことにも、後で驚きました。
風も強く、気温も低く、終始アームカバーを使うコンディションでした。
そういう意味でも、序盤の入り方の雑さが最後まで大きく響いたレースだったと思います。
それでも最後までケイデンス179がぶれなかったのは収穫だった
今回のレースは反省点が多かったのですが、その中でも良かった点はあります。

それは、ケイデンスが最後まで179でぶれていなかったことです。
呼吸は苦しい。
心拍も高い。
ペースは落ちる。
それでも、脚の回転自体は最後まで大きく崩れなかった。
ここは、自分でも良かったと思っています。
そして最大心拍192を記録したのは、ゴール直前でした。
つまり、かなり追い込んではいましたが、最後の最後まで粘って出し切ったとも言えます。
もちろん、だからといってこのやり方を勧める気はありません。
ただ、苦しい中でも最低限のリズムを保てたことは、今後につながる材料だと思います。
姿勢治療家®︎として見た、今回の失敗の本質
今回の失敗を、姿勢治療家として見ると、本質はかなり明確です。
練習不足の状態で、感覚だけに頼ったこと。
これです。
走れている時は、自分の中に速度のものさしがあります。
この呼吸ならこのペース、この力感ならこの速度、という感覚がかなり細かく分かります。
でも、練習不足になると、そのものさしが一気に粗くなります。
しかも落ちるのは速度感覚だけではありません。
脱力の精度も落ちる。
少し速いだけで余計な力が入る。
少し苦しいだけで息を吐き切れない。
そうなると、姿勢保持もどんどん難しくなる。
今回も、背伸びを意識し、苦しくても息を吐こうとしていました。
それ自体は悪くありません。
ただ、序盤のペース設定が乱暴すぎると、姿勢だけでは回収できないところまで行ってしまいます。
さらに、向かい風が入ると、脱力して傾きで進む感覚が一気に難しくなります。
本来なら、風の抵抗が強い場面では、前の選手の後ろにつくなどして少しでも無駄を減らしたい。
実際、そういう判断自体は頭の中ではできていました。
でも今回は、そこに合わせるための微妙な加速すらできなかった。
オールアウトしすぎていて、アクセルを少し踏みたいのに、その“少し”が出せない。
この感覚はかなりリアルでした。
つまり、苦しすぎる状態になると、単にペースが落ちるだけではありません。
微調整する力そのものがなくなる。
これが今回よく分かったことです。
走れている時は、力を入れるだけでなく、
「少し抑える」
「少し合わせる」
「少し乗る」
という細かな調整ができます。
でも、オールアウトすると、その繊細なコントロールが消える。
だから、前につきたいのについていけない。
風を避けたいのに避けきれない。
結果として、さらに苦しくなる。
これはまさに、練習不足の状態で感覚だけに頼った代償だったと思います。
つまり今回よく分かったのは、
“走れる体”と“無理して動ける体”は別だということです。
今回は、無理して動けてしまった。
だから最後まで行けた。
でも、それを良い走りと呼ぶのは違うと思っています。
レース後に出た喘息のような苦しさ
今回、ここも大きな反省点でした。
レース後、翌日にかけて、少し喘息っぽい苦しさが出ました。
与那国島の暖かい空気の後で、寒い環境の中、一気にオールアウトしたことも影響したのだと思います。
口からの呼吸が強くなりすぎて、気管支にかなり負担がかかっていました。
後から調べると、いわゆるアスリート喘息のような状態に近かったのかもしれません。
さらに今回、最大心拍が192まで上がっていたことも分かりました。
さすがに、やりすぎです。
ここで大事なのは、結果が良かったからといって、そのプロセスまで正当化しないことです。
自己ベストはうれしい。
でも、体に強い負担を残してまでやるべきだったかと言われると、そこは冷静に反省しないといけません。

練習不足でハーフを走る人が気をつけたいこと
今回、自分自身がかなりはっきり学んだので、これからハーフマラソンに挑戦する方に向けて、実用的にまとめておきます。
1.最初の3分の1はジョギングペースで入る
練習不足の時ほど、最初に気持ちよく飛ばしやすいです。
でも、その“気持ちよさ”は罠です。
まずは抑える。抑えすぎるくらいでちょうどいいです。
2.感覚だけでなく、時計で客観的に見る
感覚を鍛えるのは大事ですが、練習不足の時は感覚の精度が落ちます。
そういう時ほど、時計は強い味方です。
客観的な数字があるだけで、暴走を防げます。
3.半分までは体の観察を優先する
呼吸はどうか。
肩に力が入っていないか。
脚だけで押していないか。
姿勢が潰れていないか。
レースは根性勝負の場でもありますが、同時に体を知る場でもあります。
4.“走れた”ことと“良い走り”を分けて考える
完走した。タイムも良かった。
でも、それが体にとって良い走りだったとは限りません。
ここを混同すると、次に壊します。
初めてハーフマラソンに挑戦する人へ
ハーフマラソンは、決して難しすぎる距離ではありません。
丁寧に練習すれば、誰もが十分にたどり着ける距離です。
でも同時に、雑に向き合っていい距離でもありません。
初めて出る方には、まずこう伝えたいです。
半分までは様子を見る。
体を観察しながら、丁寧に進む。
これだけで、レースの質はかなり変わります。
初めての大会は、順位や記録以上に、『自分でやり切れた』という経験が残ります。
今回、表彰状をうれしそうに受け取っていた皆さんの姿を見て、そのことを改めて感じました。
だからこそ、初レースはなおさら、無理や無茶ではなく、丁寧に向き合ってほしいと思います。
今回のレースは、今の自分のオールアウト確認レースだった
今回のハーフマラソンは、自分にとって
「今の自分が、無謀にオールアウトした時にどこまで行けるのか」
を確認するレースでもありました。
その意味では、かなりよく分かりました。
どこで呼吸が崩れるのか。
どれくらい感覚が鈍っていたのか。
最大心拍がどこまで上がるのか。
何をやると翌日に負担が残るのか。
それが見えたのは、ひとつの収穫です。
ただ、毎回こんなことをする必要はありません。
むしろ、もう少し賢くやった方がいいです。
人間の心臓が打てる回数も、呼吸できる回数も、無限ではありません。
だからこそ、なるべく丁寧に、なるべく健康に、長く楽しめる形で体を使っていくことが大事だと思います。
まとめ|年齢より怖いのは、雑に体を使うこと
今回、10年ぶりのハーフマラソンで自己ベストを更新できたことは、本当にうれしかったです。
10年経っても、年齢を重ねても、体をきちんと見つめながら積み上げていけば、過去の自分を超えることはできます。
でも一方で、今回のように雑に向き合えば、体は簡単に壊れます。
年齢そのものより怖いのは、雑に体を使うことです。
これからも、ただ速く走るだけではなく、体を観察しながら、丁寧に、長く楽しめるように走っていきたいと思います。
ハーフマラソンに挑戦したい方も、ぜひコツコツ積み上げながら、人生で初めてのレースを体験してみてください。
走るというシンプルな行為の中に、自分の体を知る大切なヒントが、たくさんあります。
姿勢が変わると人生が変わる
姿勢治療家®︎仲野孝明
p.s
河川敷の大会なので、想像以上に厚着を準備したほうが良いです。
風が強いので、レース前後がかなり寒いです。
初心者が多いので、周りの雰囲気より早め早めに動きましょう!





















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