長年の猫背でも変わる。背中が動いた瞬間、人は未来を信じ直す。
目次
背中が動くと、人生が変わる瞬間がある
背中が動くと、人生が変わる瞬間があります。
姿勢治療家®︎として日々の治療をしていると、
人の身体が「これまでの限界」を静かに超える瞬間に立ち会うことがあります。
本日の治療で、その瞬間が訪れました。
その場で、思わず鳥肌が立ちました。
■ 長年の猫背、股関節と膝の痛み
来院されたのは、背中の丸さが何年も続き、
股関節の違和感だけでなく、膝には手術歴もあり、
日々の仕事にも不安が出ていた方です。
しかも医療関係のお仕事をされていて、
背骨の構造や動きだけでなく、骨格や医療知識に人一倍理解がある方でした。
だからこそ、心のどこかで
「年齢を考えると、もう姿勢は大きく変わらないのでは…」
そんな思いがあったのだと思います。
しかし、実際に身体を拝見すると、
脊柱の可動性が 完全に失われているわけではありません。
筋肉は使えなくなっていたり、意識が向きにくくなっている部分はありましたが、
動く余地は、確実に残っていました。
■ 背中がまったく使えていない状態
治療の最初、うつ伏せで上体そらしをしていただくと、
ほとんど「全く上がらない」状態でした。
背中の筋肉が働かず、両手をまっすぐ前に伸ばした姿勢では、
上半身を引き上げる力がまったく出ません。
片手だけであれば、わずかに上げられましたが、
その動きもかなり厳しい状態でした。
胸郭は固く、肋骨も動きづらく、呼吸も浅くなる。
肩甲骨を内転させたり、脊柱起立筋・多裂筋が働けば起こせる動作ですが、
長年の丸まった姿勢によって筋肉が伸びきり、
収縮できない状態になっていたのです。
この背中の機能不全は、
結果として腰・股関節・膝の負担を確実に加速させていました。
そこで、まずは
・起立筋群
・腹部
・肩関節周囲
といった“忘れられていた筋肉”を、ひとつずつ丁寧に目覚めさせていきました。
筋肉が働けば、関節は動く。
関節が動けば、姿勢は変わる。
姿勢が変われば、痛みの流れも変わっていく。
そのプロセスを、一緒に確認しながら進めていきました。
■ そして訪れた「胸郭が開く瞬間」
治療を進めていく中で、ある瞬間が訪れました。
背中が “ふっ” と動き始める感覚が、ほんのわずかですがご本人にも伝わってきたのです。
その小さな変化を確実に使えるように、筋膜や筋肉へ丁寧にアプローチしていきます。
本来、短縮して働くべき筋肉が動き始めると、
姿勢はそこから一気に変化を見せ始めます。
そして何よりも大きいのが 呼吸の変化 です。
人間にとって、呼吸は最小の運動。
呼吸が深くなると、身体全体が自然と動き出していきます。
起立筋が「短縮して支える」感覚がわかり、
その動きを再現できるようになってきた頃、
胸郭全体が “今まで一度も味わったことのないほど” 大きく広がり始めました。
ご本人は驚きながら、何度も深呼吸を繰り返していました。
「胸に空気が入る感覚を、こんなに強く感じたのは初めてです。」
その言葉とともに、呼吸が入るたび胸郭がさらに動いていく様子がはっきり伝わりました。
さらに、壁の前に立っていただくと、
踵・お尻・肩甲骨・後頭部に加えて、
今まで一度も壁につかなかった“上腕三頭筋”が、自然に壁へ触れた。
その瞬間の表情は、今でもはっきり覚えています。
驚きと喜びと、「自分の身体が変わった」という確かな手応え。
そして、ぽつりと出た一言。
「スーパーマンみたいですね。」
背中が目覚めると、姿勢だけでなく“自分へのイメージ”まで変わる瞬間です。
■ 呼吸が変わると、体幹が動き出す
背中が使えるようになると、呼吸が深く入るようになります。
呼吸が深くなると、今度は体幹が自然と働き始めます。
はじめて正しい呼吸が入ると、
お腹まわりが“筋肉痛のように感じる”方も珍しくありません。
使うべき場所が、ようやく動き始めた証拠です。
人間は本来、骨格と筋肉が連動して動く動物です。
生き物として“普通に使えていれば”、
本来は特別に鍛えなくても身体は十分に働きます。
そして体幹が働くようになると、
股関節の動きが驚くほど軽くなります。
これは姿勢治療の基本であり、
人間の身体の本質です。
呼吸は、最小の運動。
だから、呼吸が変わると人生の動き方まで変わります。
今回の方も、まさにその変化を体感されたのだと思います。
■ 「長年変わらなかった自分」が変わる瞬間
今回は、解剖学の知識も豊富で、
臨床経験も長い“医療のスペシャリスト”の方でした。
ご自身の身体がどのように動くのか、
構造的なイメージもつきやすいタイプの方です。
しかし、本当に大切なのは知識ではありません。
「身体が変わる」という変化そのものを実感し、
自分の身体の “変えるべき方向性” をつかむことです。
たとえ猫背が何十年続いていても、
正しく使い直せば、身体は必ず応えます。
そしてその変化を体感した瞬間、
人は 自分の身体の可能性を、もう一度信じられるようになる。
その“信じ直す力”こそ、姿勢治療家が最も大切にしている部分です。
■ 背中が動くと、未来が動く
長年のクセがあっても、諦める必要はありません。
あなたの背中には、まだ眠っている動きがあります。
そしてその動きがほんの少し戻るだけで、
呼吸が変わり、歩き方が変わり、
日常の「疲れやすさ」や「痛みの流れ」も大きく変わります。
背中が動くと、未来も動き出す。
背骨は、脳から延びる脊髄神経を守る、人間にとって最も重要な骨格です。
だからこそ、この背骨が本来の位置で動くことが、
人間本来の可能性を最大限に引き出す鍵になります。
姿勢治療家®︎は、あなたの背中を丁寧に観察し、
“動かせていない場所”を見つけ出し、
一緒に改善へ向かう方向性をつくっていく専門家です。
今回のケースは、その真実をまたひとつ証明してくれました。
過去は変えることはできません。
しかし 未来は、今からつくることができます。
一度しかない人生です。
動ける背骨で、未来の一歩を一緒につくっていきましょう。
姿勢治療家(R)
仲野孝明
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