カジキは釣れなくても大収穫。与那国島で学んだ「船酔いも姿勢だった」という話
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5泊6日、与那国島で人生初のカジキ釣りへ
こんにちは。姿勢治療家®️の仲野孝明です。
2026年3月1日から6日まで、5泊6日で与那国島へ行ってきました。目的は、人生初のカジキ釣りです。

この5年以上、ずっと誘われながらタイミングが合わず参加できなかったのですが、今回はついに実現。長年サハラ砂漠を一緒に走った友人から、カジキ釣りの面白さを聞き続けていて、ずっと気になっていました。
さらに今回は、大学生になった息子を誘ってみたところ、まさかの二つ返事。「面白そう、行きたい!」こうして親子で、与那国島へ向かうことになりました。
宿泊は、船長の妹さんがされている寿じゅゲストハウス(去年オープンのゲストハウス)。
私と息子がお世話になった船は金剛丸、そして隼人船長。
参加メンバーは、キヨちゃん(2016年サハラ砂漠から色々一緒・今年はUTMB)、ハラさん(キヨさんの勉強会仲間)、キサラさん(2027年サハラ砂漠参加決定者)、ウエダさん(姫路の美容師さん・バス釣り達人)、新川さん(2025年・2026年・2027年とサハラ砂漠に連続参加)、そして私と息子。
仕事も遊びも本気な大人たちと一緒に過ごした数日間は、釣り旅行というより、もはや学びの濃い合宿のような時間でした。

初日、船酔いは想像を超えてきた
船は嫌いではありません。(一級船舶免許も持っています)ただ、昔から船酔いは少し気になっていました。

アネロンをはじめ複数の酔い止めを準備し、できる対策はして乗り込んだ初日。ところが、海に出てすぐに思いました。

これは甘く見ていた。
波がすごい。時化(しけ)って、こういうことかと。笑
予想できないうねりと、ランダムに来る上下動。大きめの船を選んでくださっていたのですが、それでも関係ありませんでした。立って場所を移動するどころか、立っていること自体が難しいレベルです。
結果、私はあっという間にノックアウト。3回吐きました。
「一回吐いたら少し楽になるかな」と思っても、海の上では波が何度もやってきます。しかも乗船時間は長い。(7時〜15時ごろ)終わりの見えない気持ち悪さで、しっかり鍛えられました。
息子も初日でダウン。それでも最後に出た言葉は「楽しかった」
今回、親として印象に残ったのは息子の様子でした。
息子は、電車でも飛行機でもすぐ酔うタイプです。なので正直、船はかなり心配していました。
案の定、初日は乗船してまもなく酔ってしまい、そのまま横になって一日終了。ずっと辛そうで、「これはもう懲りたと言うだろうな」と思っていました。

ところが、陸に戻ってから出た言葉はまさかの――
「楽しかった」
これには驚きました。あの状態で楽しかったと言えるのか、と。
本人に聞くと、船旅はもっとゆったりプカプカ浮かんでいるようなイメージだったそうで、実際の揺れは想像をはるかに超えていたようです。それでも、未知の世界に飛び込み、親子で同じ景色を見て、同じ揺れを体験する。その一言を聞いただけで、十分価値のある時間でした。
海に出られない2日間は、島を走って身体を見つめ直した
初日の後は、2日間天候の影響で海に出られない日が続きました。その2日間は、キヨちゃんと息子と一緒に島を走りました。


25km完走。
暴風の中、10km以上走ったことがない息子が、人生初の25km。キヨちゃんと僕は100マイルを走っているので距離は全く気にしていませんが、サラッとついてこられたことに驚きました。流石に最後は苦しそうでしたが。他の大人たちはとても驚いていました。
ただ、景色を楽しむだけでは終わりませんでした。走りながら同時に、GWの大会まで残り時間の少なさを改めて突きつけられました。
「あと約2ヶ月で60km×7日間」
7DAYS飛脚380まで残り8週間。今の自分で、今の3倍近い距離を1週間続けられるのか。楽しい中にも、焦りがありました。笑
今回、UTMB(ウルトラトレイルモンブランを目指す)戦士のキヨちゃんと一緒に動くことで、自分の課題もよりはっきり見えました。でも、この焦りは悪いものではありません。むしろ、成長するための材料として、ここから負荷をかけて当日に繋げたいと思います。
海に出られなかった時間も、無駄ではなく、次につながる時間になりました。。
25kmが2日続けてこの疲労感。なかなか7日間、50kmオーバーの本番、7Days飛脚380は、いい感じに刺激的でした。
3月初旬に、この差を理解することは、かなり大きいと感じました。
最終日、もっと時化ていたのに、自分は酔わなかった
最終日は、初日よりもさらにタフな海でした。天気予報では、お昼に向けてよくなるはずが……波も風も強く、コンディションは初日よりも悪化していました。
波の高さ2m 風力10m以上だったそうです。(夜の飲み会で船長さんに教えてもらいました)
それでも今回は、私は酔いませんでした。

もちろん、海が優しかったわけではありません。むしろ逆です。それなのに初日と違ったのは、身体の使い方をかなり意識できたことでした。
鍵になったのは、やはり姿勢です。
- 頭のてっぺんから引き上げられるような「背伸び」の意識
- 頭を必要以上に振られないようにすること
- 体幹を軸にしながら、股関節・膝・足首をサスペンションのように使うこと
- 座る時は坐骨を座面にロックして、圧をしっかり感じること
初日は、揺れに対して船と自分の体を密着させていたため、身体が振り回されていました。最終日は、波の揺れをどこで受けるかをかなり整理し、頭を動かさないことに徹した結果、乗れた感覚がありました。(facebookで投げかけたところ、たくさんの友人がアドバイスをくれたおかげでなんとかなりました。SNSに書き込んでいただけた友人に本当感謝です)
呼吸法も役立ちました。特に私には、4秒吸って8秒吐くというシンプルなリズムが合っていました。止める呼吸は、逆に気持ち悪さが強くなったのでやめました。
船酔いというと、体質の問題だけで片づけられがちですが、実際にはそれだけではないようです。頭が振られないために、体幹で脊柱を支えるために、どこで揺れを受けるのか。この差を理解することは、かなり大きいと感じました。
※今回は自分での実験なので、次回は息子にもレクチャーしたり、他の方々にも通用するかチェックしてみたいです。
息子は最終日も酔った。でも初日より少し元気だった
息子は、最終日もやはり酔っていました。海の条件自体が厳しかったので、それは無理もありません。
ただ、初日と比べると、少し元気でした。完全に倒れ込むような感じではなく、多少なりとも余裕が見えたのが印象的でした。
つまり、一発で全部克服したわけではないけれど、身体は確実に学習しているということです。本人も、初日より少し楽だったと言っていました。

ここも面白いところでした。
人間の身体は、ただ根性で耐えるだけではありません。環境に適応しながら、少しずつ「こうすると楽」という回路を覚えていく。海の上でも、それが起きていたのだと思います。
船長さんも、船乗ったばかりの頃はひどかったそうです。
カジキは釣れなかった。でも学びは大きかった
肝心のカジキですが、今回は釣れませんでした。
初日は、一度目はヒットしたものの持っていかれ、二度目はエサが元気すぎてカジキが食べきれずタイムオーバー。二日目は、残念ながらノーヒット。

目の前にチャンスがあるのに、簡単にはいかない。この悔しさもまた、釣りの面白さなのだと思います。ファーストマリン(初めてカジキを釣ること)になるまで3回、4回と毎年訪れる方も多いみたいで、簡単ではないのがカジキ釣りの面白いところのようです。
釣れた方は、カジキのパワーと40分〜1時間以上も戦って船にあげるそうです。この感覚に出会えなかったのは残念ですが。
ただ、今回の旅は釣れませんでしたが、決してそれだけで終わりませんでした。むしろ私にとって大きかったのは、船酔いという現象を自分の身体で研究できたことです。
友人がたくさんアドバイスをくれたのを自分なりに解釈して実践しました。構造的に揺れないためにはどうするのが一番合理的なのか?
姿勢は、静かに座っている時だけの話ではありません。荒れた海の上のような極端な環境でも、構造的に意識ができれば対応できるのだと、自信になりました。
初日に酔ってしまった後、最終日の荒れた状態でも酔わずにいられたこと。振り返ると、それが一番うれしい収穫でした。
最終日に、船長へ身体の使い方をお伝えできた
今回うれしかったことがもう一つあります。
最終日の懇親会で、隼人船長へ背伸びをして身体を戻す感覚や、身体の使い方について少しお伝えしたところ、とても喜んでくださいました。

「もっと早く、船上で教えてくれたらよかったのに」と言われました。10年の漁師歴で、少しずつ身体のことが気になっていたそうで、とても喜んでいただきました。
今回は全く違う分野でしたが、身体を使って仕事をしている一流の漁師さんにお話ししても、すぐに伝わったことが、私にとってもかなり印象的でした。
新しい場所に行き、初めて出会う方に、自分の仕事である「姿勢」の話が自然と届けられる。しかも、それが相手の役に立つ。やっぱり私はこれが好きなんだなと思いました。
仕事も遊びも一生懸命な大人たちと一緒に過ごしながら、新しい分野に挑戦し、初めて会う人に姿勢を伝えられる。こういう時間は、本当に楽しいです。

次回は、ファーストマリーンを釣りたいな〜
帰り道のテビチそばと与那国海塩も、いい締めくくりでした
最終日は帰りに、船長おすすめの「さとや」さんのテビチそばにも出会えました。柔らかすぎるほどホロホロの豚足で、麺も美味しく最高でした。旅の最後に、その土地ならではのものをいただけるのはやっぱりうれしいものです。

さらに、与那国海塩のお店にも立ち寄ることができました。ミシュランのお店からの注文も断るほど希少な海塩のお店です。たまたま船長の先輩とのことで、塩釜も見せていただき、表参道にある予約が取れないとんかつのお店で使われているという話も伺いました。
塩職人の杉本さんご自身はトンカツが苦手だったそうですが、とんかつドットJPのオーナーが何度も足を運んでくださり、その熱意に負けて卸すことにしたそうです。自宅のそばにとんかつドットJPがあることをお伝えしたら、とても喜ばれました。今度は、杉本さんの写真を持って伺います。笑
こういう出会いがあると、釣りだけではない、島そのものの記憶が残ります。
与那国島は、海も風も人も濃い。簡単ではないけれど、だからこそ面白い場所でした。
船酔いも姿勢だった。だから次につながる
今回の与那国島5泊6日で、一番伝えたい学びはこれです。
船酔いも、姿勢だった。
もちろん体質の差はあります。でも、それだけではない。頭の位置、体幹の使い方、股関節や膝や足首での衝撃吸収、座り方、呼吸。身体の使い方で、かなり変わる部分があると実感しました。
初日は完全にノックアウト。最終日はもっと時化ていたのに、自分は酔わなかった。息子も酔いはしたけれど、初日よりは少し余裕があった。
この変化は、偶然ではなく、身体が学習し、使い方が少しずつ整った結果だと思っています。
カジキは釣れませんでした。でも、収穫は大きかったです。
ファーストマリンを絶対釣らせたいという隼人船長の思いがヒシヒシと伝わってきました。次回リベンジするかは息子と相談ですが、少なくとも次からは、もう少し違う景色が見える気がします。そして次回は、名刺代わりに自分の書籍も持っていこうと思いました。
海の上でも陸の上でも、姿勢の話はやっぱり面白い。そんなことを、改めて感じた与那国島でした。

「サハラ砂漠いくぞうの新川さん」に釣られてました。いってらっしゃい〜!!
初の息子との旅行は、大きな学びの中で終わりました。
帰路の飛行機で、アイアンマンと、サハラ砂漠についてレクチャーしたのはここだけの話です。
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家 仲野孝明





















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