2026-01-16

登山の下りで膝が痛い原因は膝じゃない:股関節主導で整える臨床7回の記録

こんにちは。姿勢治療家® 仲野孝明(仲野整體 東京青山)です。

「腰の痛みは昔からある。もう付き合うものだと思っている」
「山の下りで膝が怖い。下山が憂うつになった」
「股関節が詰まる感じがして、動かすと引っかかる」

こういう悩み、実はひとつの線でつながっていることが多いのです。
痛い場所が“腰や膝”でも、原因はそこではなく、体の使い方(連動)の崩れの積み重ねが少なくありません。

今回は、9月から12月にかけて7回の診療で、Aさん(仮名)60代が「登山を諦めない体」に向かっていった記録を、一般の方にも分かる形でまとめます。


主訴(いちばん困っていたこと)

Aさんの相談は大きく3つでした。

  1. 腰痛(20年前から)
    起床時、そして仕事で座っていて立ち上がる瞬間に出やすい。
    強烈な激痛ではないけれど、ずっと「違和感が抜けない」タイプ。
  2. 右膝の痛み(2年前から)
    山の下山時(下り)に出てきた。
    自然に階段の下りも不安になり、避けるように。
  3. 右股関節の詰まり感(1年前から)
    動かす時に「詰まる」「引っかかる」感じがある。

趣味はヨガと山歩き
体の感覚悪くなく、「何のために良くなりたいか」が明確でした。


現病歴を「時系列」で見ると見えてくること

Aさんを時系列で並べるとこうです。

  • 20代後半出産で腰痛あり
  • 40代後半頭痛や腰痛あり(朝・座って立つ瞬間など)
  • 2年前:下山で膝(下りで怖さを感じる)
  • 1年前:股関節の詰まりを感じる

多くの方はこの症状を「腰が痛かったこと、次に膝が痛くなって、最近股関節も…」と別々に捉えます。
でも臨床は逆に、

股関節や体幹の連動が落ちる → 下りで膝が頑張らされる → 腰が長年逃げ続けることで股関節へ

という“使い方の連鎖”が、長い時間をかけて表面化してくると分析してきます。

つまり、痛い場所は結果。
本丸は、体の使い方の偏りにあります。


初診の見立て:ポイントは「腰」でなく、どのように使ってきたか

初回に重視するのは、骨格の変形進んでいないかと筋肉の可動がどこまで動かせているか

  • 体幹(胴体)がブレずに脚に力を伝えられるか
  • 左右差(片方だけ硬い・片方だけ頑張る)があるか
  • 下り動作で、膝に“ねじれ”や“逃げ”が出ていないか

特に「下りの膝」は、膝そのものより
体幹の安定性と股関節の可動域が鍵になります。


7回の診療経過:やったことはシンプル。効果には順番があります

ここからは7回分を、読みやすい形で要点だけ。

① 初診(9/17)

  • まずは全身を検査して、腰・膝・股関節を“別々の問題”でなく時間と共に変化していることを共有。
  • 股関節の動きは、制限があるよりも、支えるべき筋肉の必要でした。
    「正しく動かせば変わる」土台が見えました。
  • ゴールは「痛みを消す」より先に、正しい姿勢のポジションで使うことにすることを設定。

② 2回目(9/24)

  • 宿題のワークがうまくハマり、片脚動作でも安定が出始めました。
  • 早い段階で「階段の下りが前より怖くない」感覚が出たのは良い兆候でした。
    → 体は正直で、連動が整うと“怖さ”が先に減ります。

③ 3回目(10/15)

  • Aさんが素晴らしかったのは、セルフケアを“毎日できる形”にすぐに落とし込めたこと。
  • 朝の散歩やラジオ体操など、日常の中に回復の仕組みが入り始めました。
    → 治療は「院内」より「日常生活」での養生が本質です。
    (仲野整體®️家訓:医者より養生、薬より手当より)

④ 4回目(10/29)

  • ストレッチボードなども導入し、可動域の底上げが進行。
    (ヨガで苦手で逃げていた箇所をしっかりアプローチ)
  • 散歩の一部に“ゆっくり早歩きジョグ”が混ざり始め、「必要な時に走れる体」へ。
    → これは腰痛にも膝にも効きます。血流・連動・体幹反射を利用するからです。

⑤ 5回目(11/12)

  • 立った時の安定感、左右差の減少がはっきりしてきました。
  • 「この1ヶ月半でも十分変わっている」ラインへ。
    → 慢性腰痛は“劇的に消える”より、まず「気づいたら軽くなっている」が臨床におけるベストだと考えています。

⑥ 6回目(11/26)

  • 下りの練習は、いきなり階段でやり込むと悪化しやすいので、まずは坂で負荷を調整→いけるなら階段へ、という順番で指導。
    → この負荷を間違えると、膝はすぐに「守りモード」に入り元に戻ります。丁寧にアプローチしていきます。

⑦ 7回目(12/17)

  • 忙しい時期でPC作業が増え、肩や胸郭まわりに不調が出てきました。
  • これは悪いことではなく、「腰と膝が落ち着いたから、次の弱点が表に出た」こともよくあります。
    → 体は“黙って壊れる”のではなく、サインを出します。
    自分の身体のコンデションを読めるようになると怖くなくなります。
    (一生使える身体のヒントを診療中に意識して伝えています)

このケースの結論:
「使い方」姿勢を変えると、不安なく動ける身体に戻せること

Aさんの変化を一言でいうと、

身体は痛い場所で考えない、自分の現在の身体の状況から、人間本来使い方に近づける使い方をインストール。
結果的に、弱い場所を補強する生活で、できることが増えたこと。

  • 20年続いた腰の違和感も「付き合うもの」から「負荷をかけない使い方で」変わる
  • 下山で怖かった膝が「使い方対策すればいける」に変わる
  • 股関節の詰まり感も、「動かし方と準備」で軽くできる可能性が見える

慢性腰痛も、登山の膝痛も、股関節の詰まりも。
年齢のせいで諦めるものではありません。

ただし条件があります。
“正しい順番”で体を使えるように戻すこと。


同じ悩みの方へ:来院の目安

もしあなたが、

  • 起床時に腰が重い/座って立つ時に腰が痛い
  • 階段や下りが怖い(膝が不安)
  • 股関節が詰まる感じがある
  • ヨガや登山、運動はしたいのに、痛みが足を引っ張る

このどれかに当てはまるなら、必要なのは根性ではなく、設計です。
「痛みがある場所」ではなく、崩れる動作パターンを見つけて修正する。

仲野整體 東京青山では、全身の連動を検査し、
日常に落とし込めるセルフケアまで含めて「再現できる姿勢」に整えていきます。
山を諦めない人、ちゃんと応援します。

まずは、からだの車検®️へ!

姿勢治療家®️
仲野孝明

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