「美しい村」からはじまる旅──基準があると、行ってみたくなる

「日本で最も美しい村」連合って、ご存じですか?
世界には「最も美しい村連合会」という組織があり、フランス、ベルギー(ワロン地方)、スイス、スペイン、イタリアが加盟しています。
それぞれの国が、自分たちの“美しい村”を守り、未来へと受け継いでいく活動を行っています。
日本も2010年からこの連合に参加しており、全国各地に加盟する村があります。
先日、副会長の二宮さんから「日本で最も美しい村連合」の新聞Vo53フランス「世界で最も美しい村」をいただきました。
そこに掲載されていたのは、世界大会──
フランスのアルザス地方で開かれた「世界で最も美しい村」国際連合総会の記事でした。
目次
フランス・アルザス地方の村に心を奪われる

記事には、リクヴィール村(Riquewihr)で開催されたこと、
そして、視察地として紹介された4つの村
ユナヴィール村(Hunawihr)、ミッテルベルグハイム村(Mittelbergheim)、ベルグハイム村(Bergheim)、エギスハイム村(Eguisheim)が記載されていました。
どの村もまるでおとぎ話のように美しく、
それぞれの村が抱える“細やかな課題”にも触れられていました。

記事では、その課題をどのように解決しているのか、
「美しい村を維持するための具体的な視点」として紹介されており、
理想だけではなく、現実の工夫が見えてくる内容でした。
Googleマップで実際に見ながら町中を散策してみると、色とりどりのレンガ造りの家、花で彩られた窓辺、きれいに手入れされた植栽が目に飛び込んできます。
スクリーン越しでも伝わる“丁寧に暮らす人たちの気配”に、心を奪われました。
アルザス地方は白ワインの名産地でもあり、隣国ドイツの影響を受けて単一品種のワインが多いそうです。
そんな背景を知ると、ますます現地の食文化に惹かれてしまいます。
「ここで地元の料理を食べながら、グラスを傾けてみたい」
そんな想像をしている自分がいました。
便利さや効率では測れない、“暮らしの美しさ”という価値が、静かに息づいている。そんな村の姿勢に、深く惹かれました。
日本の地図を見て感じた“懐かしい美しさ”
「日本で最も美しい村」連合の加盟地図を眺めていると、見覚えのある場所がいくつも目に留まりました。

長野県・木曽町の開田高原、南木曽町、そして鹿児島県の喜界町。
木曽は、私にとって家族と過ごした大切な記憶の場所です。
学生時代には、スノーボード合宿と称して木曽福島に長期滞在し、開田高原や南木曽にも足を運んでいました。
喜界島は日本でも貴重なゴマの産地で、
今では来院してくださる農家の方もいらっしゃる、私にとってご縁のある場所です。
そんな見慣れた地名や、これまでお話を伺ってきた土地が、“日本で最も美しい村”として地図に並んでいる。それをただ見つけただけなのに、まるで古い友人に再会したような、静かな喜びを感じました。
そんな中で、新聞の記事にあった創設者の言葉が、深く心に残りました。
「美しくない場所を、美しくしていく」という思想
新聞の記事の中で、特に印象に残った言葉がありました。

「美しくない村の部分を、いかに美しくしていくか。」
“日本で最も美しい村”連合の創設者の一人は、理想論ではなく現実を見つめ、景観を損なう要因を一つひとつ改善することに価値を置いていたそうです。
美しいものを守るだけではなく、まだ美しくなりきれていない場所にこそ目を向け、
少しずつ手を入れていく。
その姿勢に、心から共感しました。
未来を創る世代と、これからの旅
そんな想いを受け継ぐように、次の世代が新しい形で動き始めていました。
新聞には、「Under 35 未来創造会議」という取り組みが紹介されていました。
若い世代が主体となって、これからの“美しい村”をデザインしていく活動です。
次の世代が、自分たちの感性で地域を再構築していく姿に、強く共感しました。
具体的に動き出さなければ未来は変わらない。そんな想いをかたちにする仕組みとして、35歳以下の若者たちが実際に地域づくりに関わっている。この活動を知ると、これから先、加盟したいと願う村がさらに増えていきそうな気がしました。
人口減少や財政の制約など、現実的な課題は確かにあります。それでも、知恵やアイデアを持ち寄りながら前に進もうとする姿は、単なる地域振興ではなく“未来の生き方”そのもの。
自分たちの町を、未来のために残すにはどうしたらいいのか。
東京に暮らす私もまた、そんな問いを持ちながら記事を読んでいました。
“生きていくデザインを考えながら、人が自然に集まる村をつくること。”
そこに生まれる出会いや思い出の共有が、
次の世代へのエネルギーとなり、また人を惹きつける循環を生み出していく。
“美しい村”は、そうして文化として受け継がれていくのだと思います。
五十年、百年後の日本が、多くの美しい村で構成され、それぞれの地域が誇りをもって暮らせる国であってほしい。
私自身が、東京に憧れ、自分の生まれ故郷を後回しにしてしまいがちだったからこそ、「自分の好きな町を、自分たちの手で美しくしていく」という姿勢に、共感したのかもしれません。
バイクやランニングで旅をしていると、
日本中どこも同じように見えてしまう寂しさを感じることがあります。
けれど、特徴や個性のある村や町こそが、
これから人を惹きつける場所になっていくのだと思います。
旅の目的地を、美しさの基準で選ぶ
今、私が次に行きたいと思っているのは、
前回の国際大会の記事にも書かれていた京都・伊根町。
京都といっても日本海側にあり、海沿いに建つ舟屋に宿泊できる町です。
名古屋のバイク仲間と合流して、海沿いを走りながら日本の“美しい村”を感じてみたいと思います。
便利さや観光地としての知名度だけでなく、「美しい村」という“基準”があると、行きたい気持ちが生まれますね。
もともとミシュランがタイヤメーカーとして、“ドライブしたくなる目的地を増やすため”にガイドブックを作ったように、
これからは「日本で最も美しい村」という基準が、多くの方と一緒に、ランニング旅やリトリートの開催地などに入り、目的地選びの新しい軸になっていくのも楽しみです。
その基準があるからこそ、訪れる前から心の準備が整い、旅が少し特別なものに変わっていく——そんな予感がしています。
✳︎あとがき
今回の記事を通して、「美しい村」という言葉の奥にある、人の営みや思いの積み重ねを改めて感じました。
それは観光地としての美しさではなく、
人が暮らしを丁寧に紡ぎながら守ってきた“生き方の美しさ”なのかもしれません。
これからの日本が、そんな村や町の魅力で満ちていくように——
ひとりひとりが「自分の町を好きになる」ことから、未来は静かに変わっていくのだと思います。
思い出に残る旅行先を探している方や、
移住先を考えている方にとっても、
「日本で最も美しい村」連合の活動はきっと参考になるはずです。
公式サイトでは、全国の加盟村の紹介や最新の活動報告を見ることができます。
👉 日本で最も美しい村 公式サイトはこちら

ぜひ一度、地図を眺めながら
あなたの“行ってみたい美しい村”を探してみてください。
姿勢治療家(R)
仲野孝明


















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