サロマ湖ウルトラマラソン2024 振り返りとQ&A
目次
大会の雰囲気とコースの特徴
サロマ湖ウルトラマラソンは田舎ならではの温かみのある雰囲気が魅力です。
3回目の参加となり、町の雰囲気にも慣れてきて少し懐かし感じになってきました。過去に大会で一緒だった仲間や水曜飛脚や東海道53次日曜飛脚に参加してくれた方々にも会え、大変心強く感じました。
コースは、北海道湧別町から北海道北見市常呂町までの100kmで、その間にサロマ湖畔を走り、ワッカ原生花園を通過します。序盤は平坦で、中盤から後半にかけては起伏があり、自然の美しさを楽しむことができます。スタート地点とゴール地点が異なるため、早朝にスタート地点までの移動が必要となるのが少し大変です。
100kmのスタート時間は朝5時です。スタート前に移動するため、起床時間はAM2時前になりますが、北海道ならではのAM3:40には朝日が昇り、幻想的な気分になるのもなんだか嬉しくなります。
大会後にいただくご質問をまとめてみました。
苦しかったですか?
質問: ウルトラマラソンは苦しかったですか?
回答:はい、非常に苦しかったです(笑)。
今回の大会は気温が31度になる予想でしたが、予想通り32度になりました。暑さ対策が少し甘かったため、前半から心拍数が高くなり、最後までその状態が続いてしまいました。
失敗の一つは、ウエアの選択です。いつも同じレース用のウエアで参加するのですが、マラソンランナーが着ているタンクトップかノースリーブをスタート地点から使う必要がありました。しかし、1週間前に肩の部分を日焼けしすぎてしまい、ノースリーブを避けていました。大エイドにはノースリーブを準備していたので、後半は涼しくなりましたが、それまでの暑さが影響しました。
最後は特に暑さと疲労が重なり、体力の限界を感じましたが、「やり切る」という強い意志で乗り越えました。
暑すぎて、思いっきり被ってます。
首元も冷やしてます。この時点でまだ8時25分でした。笑(35km地点で、心拍数162😅)
事前には、ここは心拍150までで走る予定でした。
どんなコースですか?どんな場所が走っていると見えますか?
質問: コースはどんな感じですか?
回答: 湖畔や林間、田園風景を走ります。朝日は絶景で、自然の美しさを感じながら走ることができます。
※朝日はスタート前です。
最後のワッカ原生花園は、自然のまま残っているので好きな方には魅力的な場所です。
私は苦しくて余裕がありませんが。。😆
4時間以上走るってどんな感覚ですか?
質問: 4時間以上走るってどんな感覚ですか?
回答: 体が疲れてきますが、リズムに乗ることでゾーンに入ります。集中力が高まり、前に進むことだけを考えるようになります。特に70km程度までくると、いつでもやめたくなる気持ちとの戦いが始まります。「なんで走っているんだろう?」という素朴な質問が自分の頭の中で問いかけられます。
「辞めると楽になるよ」 「歩けば楽になるよ」 「足の裏が痛いから、そろそろ歩く?」
そんな自分の脳との会話に対して、 「いいえ、もう少し走ります」 「こんなに走れる体でいられることに感謝します」 「健康な体で生まれ、ここまでこれてありがとう」 「仕事も休んで、走らせてくれてありがとう」
と感謝の言葉で返しまくります(笑)。これで気がつくと100kmに到達しています。まさに修行ですね。
10時間43分の修行が終わった瞬間。
2回目で11時間切りはすごいですね。ウルトラマラソンのコツは何ですか?
質問: ウルトラマラソンのコツは何ですか?
回答: 計画的なトレーニングとペース配分、適切な補給と休憩が重要です。しかし、最も大事なのは「気持ち」です。強い意志で乗り越えました。
事前にレースのコースマップをチェックしておくこと。概ねの距離と通過時間を予想し、走りながら通過タイムを確認して自分の状況を客観的に捉えることが大切です。プランA、プランB、プランCを作っておくことも重要です。
私の場合、プランAはサブ10(10時間未満)で、このためには5’45″で走り続ける必要がありました。プランBはサブ10.5(10時間30分以内)で、このためには6’15″で走り続けることが必要でした。プランCは完走です。
速度だけでは疲労が回復しにくいため、心拍数を基準にしていました。心拍数を151までに抑え、70km地点に到達したらそこからは気にせず走るというプランでした。しかし、このプランが通用しないほど暑く、早い段階で心拍数が160に到達してしまいました。結果的に、プランBとプランAの速度の間で走ることになりました。
最終的には90km地点で完全に止まってしまいましたが、友人に助けられ、一緒に走ることでプランCでゴールすることができました。100kmにはそれぞれの物語があります。この競技は、メンタルなスポーツだと思います。
※サハラ砂漠で一緒だったカニさんに助けられました。
スパルタスロンも走り、8回目のサロマ湖だったそうで、サロマの解説をしてもらいながら後半ゴールできました。
ほんとありがとうございました!
何が起こるかわからないというのがウルトラマラソンですよね。
質問: 何が起こるかわからないというのがウルトラマラソンですよね。
回答: その通りです。体調や天候、補給の問題など、予期せぬ事態が発生します。柔軟な対応力と冷静な判断が求められます。考えられることは全て準備しておきましょう。これはコーチに教えてもらったメッセージでした。
私は、大エイドの54.5km地点に、スペアシューズ・着替え・食料・リュック・ドリンクなどかなりの量を準備しました。必要なものだけ取れるようにしておきましたが、バッグはパンパンでした(笑)。
今回は、走りながら暑さで水を被っていたため、自分の足がやられてしまいました。濡れた靴で摩擦が生じ、靴と靴下の滑りによって水ぶくれができてしまいました。初めて足裏に2箇所も豆ができました。テーピングをトレイルの時より少なめにしていたのも原因の一つです。
靴についても今回は最後まで悩みました。走力が上がってきてシューズの違いがわかるようになり、より迷いが生じています。もう少し経験を積めば、このあたりも攻略できると思っています。
43キロからがウルトラマンソンです。
質問: 43キロからがウルトラマラソンですか?
回答: はい、43キロを過ぎると試練の時間が始まります。体力と精神力が試される区間です。フルマラソンの距離は42kmですが、この先からが本当のウルトラマラソンです。ちょっとしたことがどんどん悪化したり、変わってきます。
事実は一つですが、自分の脳がパニックになったり、問題を拡大解釈してしまうことがあります(笑)。例えば、「暑い」「足の裏が痛い」といった事実が、気のせいだと考えるか、悪化するのではと心配するか、他のことを考えて忘れるかなど、解釈は無限大です。
このマラソンの面白さは、事実の一つ一つに対して自分がどう対処するかで、試練を乗り越えることです。感謝の気持ちを持って自分の体と対話していると、痛みが和らぎ、走れるようになることもあります。
準備で大変だったこと
質問: 準備で大変だったことは何ですか?
回答: 練習メニューをつくってもらいトレーニングを行いました。
毎週のスケジュールをこなすのが、なかなか大変でした。
レースの目標タイムを10時間に決めてから、5’50″のペースでの練習が増えました。3月から4ヶ月間、ほとんど週5日は走っていました。メニューもバリエーションが多く、まるで部活のようでした(笑)。
練習メニューの例:
- 10kmレースペース
- 30分ジョグ+WS
- 400m×10本
- 2000m×2本
- 山手線一周
- 60分ジョグ
- 8kmビルドアップRUN(5’50″→4’30”)
- 8kmペースラン
- 80kmLSD
- 30kmラン
- 40km・50km・30km・50kmの週末レースペーストレーニング
さらに弱点を克服するワークアウトも取り入れ、徹底的に行いました。
こちらで詳しく載ってます!↓
https://www.strava.com/athletes/37206333
完走の喜び
完走の喜び:
完走した瞬間、努力が報われたと感じました。応援の声や仲間との喜びの共有が何よりも嬉しかったです。限界を超えた経験が自信に繋がりました。
レースの初めから、多くの方に声をかけてもらい、励まされました。最後の90km地点では歩きたくなるような状況でしたが、なんとか完走できました。
練習をかなり積んだ結果、去年よりも約45分早いタイムでゴールできました。
- 2023年: 11:30:20 (193位)
- 2024年: 10:43:40 (100位)
公式記録によると、参加者100km部3,026人、総合順位226位なのでなんとかトップ1割に入れました。
本当にありがとうございました。
↓
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1031843/
締めくくり
サロマ湖ウルトラマラソン2024を無事に完走できたことに感謝します。大会運営スタッフや応援してくれた人々に心から感謝します。次回の挑戦はまだ未定ですが(笑)。
50歳になって、1歳年を重ねての45分短縮は、振り返ると最高のプレゼントになりました。
本当にありがとうございました!
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家 仲野孝明
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