2026-06-16

380kmのルートは、こう作った。|7Days飛脚380 ルート設計の全公開


こんにちは、姿勢治療家®︎の仲野孝明です。

仲野整體100周年企画「7Days飛脚380」、おかげさまで無事に走破できました。

走り終えてから、装備の答え合わせや血糖値の記録など、いろいろ書いてきましたが、実は一番質問が多いのに、まだ書いていなかったことがあります。

「あのルート、どうやって作ったんですか?」

旅ラン(ジャーニーラン)とは、レースのように速さを競うのではなく、街から街へ自分の脚で移動していく旅のスタイルです。コースも、エイドも、ゴールテープも、誰も用意してくれません。だからこそ、ルート作りがすべての始まりになります。

たしかに、380kmのルートをゼロから引くなんて、普通はやりません。でも、やってみると意外とシンプルな手順の積み重ねでした。そして、忘れないうちに書き残しておかないと、自分でも再現できなくなりそうなので(笑)、今回は設計の全工程を公開します。

この記事の要点

  • ルート設計の順番は「ゴール→日数→割り算→道選び」
  • 総距離はGoogleマップの徒歩検索でまず把握する(今回は372km)
  • 通過予想時刻の計算式:平地8分30秒/km、坂道12分30秒/km、休憩10〜15分
  • コンビニ休憩は7〜8km間隔で刻む(1区間9kmを超えると疲労感が急増)
  • GWの宿は1月時点で満室の街もある。「宿の空き」がルートを決める
  • 下見はストリートビューで8割代替できる。複雑な場所だけ実走を

東京→大阪でも、自宅から実家までの帰省ランでも、考え方は同じです。自分の旅ランを作りたい方の参考になれば嬉しいです。

最初に決めたのは「ゴール」でした

ルート作りで最初に決めたのは、距離でも日数でもなく、ゴール地点です。

100周年企画なので、ゴールは東京青山の院。スタートは創業の地、四日市の本院。この2点を先に固定しました。

次にやったのは、とても簡単なことです。

Googleマップで「四日市本院→東京青山」を徒歩で検索する。

Googleマップで四日市から東京青山まで徒歩ルートを検索し、総距離372kmと所要時間が表示された画面
四日市本院→東京青山を徒歩検索。最初の一歩は、この画面を出すだけだった。

これだけで、最短の徒歩ルートと距離が出ます。出てきた数字は372kmでした。

四日市から東京まで380kmの実際の走行ルートを衛星地図上に緑の線で示したGPSログ。7Days飛脚380の全行程
これが実際に走った380km。イブキGPSで記録した全行程のログ。四日市(左)から東京湾(右)まで、太平洋岸を東へ、箱根を越えて青山へ。実際の走行ログ(IBUKI)はこちら。この一本の線を、どう引いたか——その全工程を公開する。

次に、使える日数。ゴールデンウィークの4/29〜5/6をマックスで考え、仕事への復帰やトラブルを想定して1日のバッファを引き、7日間に決定。

372km ÷ 7日 = 約53km/日

過去の飛脚やウルトラの経験から「これなら行ける」と判断できたので、ここで計画の背骨が決まりました。

旅ラン設計の最初の3ステップ
① ゴールとスタートを決める
② Googleマップの徒歩検索で総距離を出す
③ 使える日数で割って、1日の距離が自分の脚で現実的か確かめる

道選びの方針:最短を基本に、見どころを「引き算で残す」

ベースは東海道です。ただし、旧東海道を完全トレースはしませんでした。

以前、東海道53次を旧道で全部たどったことがあるのですが、旧東海道はかなり回り道をしますし、「ここ登らされるのか…」という場所もあります。今回は参加者と一緒に走るイベント。なるべく最短距離で東京へを基本方針にしました。

ただ、全部を効率化してしまうと、ただの移動になってしまう。

そこで決めたルールが、「1日の中に見どころを1〜2箇所入れる」です。

宿場町の跡、石畳、富士山の見える峠。効率の線の上に、印象に残る場所だけを引き算で残していく。装備を1,495gまで削ったときと、考え方はまったく同じでした。

計画のはじめに「ここは通りたい」とリストアップしたのは、こんな場所です。

通りたかった場所
1日目桑名・七里の渡し跡(昔の東海道で、船が着いた場所)
2日目岡崎城
3日目新居関所
4日目菊川坂石畳・蓬莱橋・宇津ノ谷峠・駿府城
5日目薩埵峠・鈴川の富士塚
6日目三島大社・箱根旧東海道石畳(挟石坂)
7日目寒川町・厚木基地

歴史の点(城・関所・渡し・富士塚)と、身体で感じる点(石畳・峠・橋)を混ぜているのがポイントです。380kmを「移動」ではなく「旅」にしてくれるのは、この1日1〜2箇所でした。

なかでも、どうしても外せなかったのがこの3箇所です。

  • 宇津ノ谷峠(掛川→静岡):明治・大正・昭和、三時代のトンネルが並ぶ場所
  • 薩埵峠(さったとうげ)(静岡→沼津):富士山の絶景
  • 箱根旧東海道の石畳(沼津→平塚)

この「点」を先に打ち、最短ルートとつないでいきました。

宇津ノ谷峠の明治トンネル。赤レンガ造りのトンネル
宇津ノ谷峠の明治トンネル:明治・大正・昭和の三時代のトンネルが並ぶ宇津ノ谷峠。赤レンガの明治トンネルは、手彫りの跡が残っています。
薩埵峠の展望台で記念撮影する7Days飛脚380のランナー4人。背景に富士山と駿河湾、東海道の石碑が見える
薩埵峠の展望台で記念の一枚。背景は富士山と駿河湾。最短だけを選んでいたら、この景色には出会えなかった。

宿泊地は「箱根からの逆算」で決まる

1日の区切り=宿泊地をどう決めたか。実はこれ、四日市から順番に決めたのではありません。

箱根から逆算しました。

箱根越えは時間がかかることが分かっていたので、箱根を含むステージをどう切るかが最初の問題です。

  • 最終日(→東京):疲労がピークの日に距離を盛ると大変。藤沢や小田原も候補でしたが、平塚を選択
  • 箱根越えの日:平塚から逆算すると、本来の適正距離は三島。ところが——

ここで現実に突き当たります。計画していた1月の時点で、三島のホテルがほぼ満室だったのです。GW恐るべし。やむなく沼津に変更しました。

ちなみに、一緒に走った方々は2〜3月に予約しましたが、やはり三島は取れず、沼津も残りわずかになっていたそうです。

教訓:GWの旅ランは「ルートを決めてから宿を取る」のではなく、宿の空きがルートを決める。計画と宿の予約は同時進行で。

沼津が決まると、前回走った経験から「走れる距離で、宿のある街」は静岡。さらに逆算して掛川。こうして後半の区切りが、東から西へドミノ式に決まっていきました。

掛川から西は、最後まで迷いました

掛川以西は2つの案がありました。

  • 案A:浜松を抜けて豊橋泊
  • 案B:豊川から姫街道(北側の旧ルート)を行く

前回と違う道を走ってみたい気持ちもあり、姫街道には惹かれていました。ただ、Googleマップでルート上の道を全部確認したとき、姫街道の歩道の少なさに危険を感じました。参加者を連れて走るイベントです。ロマンより歩道。浜松経由に決めました。

宿泊地に共通する条件

  • ビジネスホテルが多い大きな街であること
  • 新幹線停車駅をなるべく意識(豊橋・浜松など)。途中合流・離脱がしやすくなります
  • 駅前であること。遅れた場合の電車エスケープもしやすい

朝5時スタートに込めた、姿勢治療家としての考え

行程表を見た方から「なぜ毎日5時スタート?」と聞かれました。これには理由があります。

僕は、人間は朝日とともに起きて、夕日とともに休むのが、いちばん人間らしいと考えています。臨床で毎日お伝えしている生活リズムの話を、この7日間の行程表にそのまま落とし込みました。

事前にこの時期の日の出時刻を調べると、4時45分頃。集合の時間帯には空が薄明るくなりはじめ、5時にはちょうど朝日とともに走り出せる。だから5時。

もちろん、実利もあります。

  • 7〜8時に車や人が動き出すまでの約3時間、すいた道で距離を稼げる。経験上、朝が旅ランのいちばんの稼ぎどきです
  • 日が傾くと、不思議と疲労感が増します。明るいうちにゴールしたい

1日のリズムはこうなります。

時刻行動
5:00朝日とともにスタート
〜8:00道がすいている間に距離を稼ぐ
〜11:00・12:00その日の距離の半分以上を終わらせる
昼以降コンビニで補給しながら、休憩長めに楽しく進む
15:00〜16:00ゴール
17:00夕食。明るいうちに「おやすみなさい」と言って解散
早朝5時、朝日の中をスタートする7Days飛脚380のランナーたち
朝5時スタートの掛川|朝日とともに、5時スタート。人間が一番動きやすい時間に走り出す。これは姿勢治療家としての生活リズムの実践でもある

以前のイベントでは「始発で集合に間に合う時間」に設定していましたが、今回はあえてそれを捨てました。前泊していただく前提で、早朝スタートを優先。結果的に、このリズムが7日間を支えてくれたと思っています。

ちなみに初日だけは17kmと短い設定です。四日市本院での100周年ウォーキングイベント後、昼12時出発と決まっていたため。初日は「準備運動」と位置づけて、装備や身体の問題点を洗い出し、名古屋から新たなスタートを切る設計にしました。

Googleマイマップの実作業:手順は4つ

実際の地図作りの手順です。

  1. スマホのGoogleマップで徒歩ルートを検索し、Googleが引く最短の線を確認する
  2. それを見ながら、Googleマイマップを新規作成する
  3. 最短線を参考にしつつ、旧道で通りたい場所・見どころに先にマーキングする(七里の渡し跡、岡崎城、宇津ノ谷峠、薩埵峠、箱根の石畳…)
  4. マーキングをつなぎながら、宿泊地を決めていく
四日市から東京までの7Days飛脚380のルートをGoogleマイマップで作成した全体図
マイマップ全体図|実際に作ったマイマップ。★スタートと宿泊地、通りたい見どころを点で打ち、線でつないでいく

ひとつ、つまずいたのが共有設定です。自分の画面では正しく見えるのに、人によっては地図が表示されない。完全に使いこなせた自信は今もありません(笑)。参加者の方に「見えてますか?」と確認してもらいながら、エラーをひとつずつ潰しました。

教訓:マイマップの共有は、必ず他人のスマホで開いてもらってテストする。

通過予想時刻はどう計算する?「8分30秒/km」の法則

参加者の合流に大活躍した通過予想時刻表。実は、作る予定はありませんでした

僕がGPSを公開して走るので、「それを追いかけて合流してください」で済むと思っていたんです。ところが「どこで合流できますか?」という質問が殺到。リアルタイムのGPSだけでは、参加者は事前の計画が立てられないんですね。観念して作りました。

7Days飛脚380で使用した地点ごとの通過予想時刻を記した表
通過予想時刻表の実物|実際に作って配った通過予想時刻表。これがあるだけで、参加者は『何時にどこへ行けば合流できるか』を自分で計画できる

計算方法はシンプルです。

  1. 止まる場所(コンビニなど)を決め、地点間の距離をGoogleマップで一つずつ測る
  2. ベースのペースは7分30秒/km。そこに信号待ち分の+1分を乗せて、8分30秒/kmで所要時間を計算
  3. 坂道の区間は、さらに**+4分の12分30秒/km**で計算
  4. 到着予想時刻を記入し、休憩10分または15分を足して再スタート時刻を決め、次の地点へつなぐ

走り終えての検証です。

  • フラット区間:ほぼ計算通り。 8分30秒/kmは正解でした
  • 坂道区間:12分30秒/kmは、少し盛りすぎた区間もありました。 ただ、登りを甘く見るより、盛りすぎて早く着くほうが圧倒的にマシです
  • 一番難しかったのはトレイル区間。 Googleマップはトレイルにめっぽう弱く、石畳や峠道は距離の計測そのものが難しい。予想タイムが立てにくいのはここでした
箱根旧東海道の石畳の上を走るランナー
箱根旧東海道の石畳|箱根旧東海道の石畳。こうしたトレイル区間はGoogleマップが距離を正確に出せず、通過時刻が一番読みにくかったです。
  • 実際、静岡の手前では旧道をやめて国道側にルート変更した場所があり、旧道のままなら時間が間に合わなかったと思います(日坂宿から、菊川までの間)

予想より早く着くぶんには、休憩を延ばせばいいだけ。「遅れて焦る」より「早く着いて余裕」
予想時刻は厳しめ(遅め)に出しておくのが正解です。

コンビニ休憩は「7〜8kmで刻む」

補給計画は第2章 コンビニで7日間、380kmを生きるに書きましたが、ルート設計の観点から大事なのは休憩の間隔です。

コンビニで補給するゆで卵とカゴメのトマトジュース。7Days飛脚380のランニング途中の休憩風景
コンビニ休憩の定番。からむきゆでたまごでタンパク質、トマトジュースで塩分と水分を補給。7〜8kmごとにこれを繰り返して380kmをつないだ。

当初は「12km走って、あまり止まらない」案も考えました。でも、過去の飛脚の経験から、1区間が9kmを超えると疲労感が一気にきつくなることが分かっていました。

そこで基本は7〜8km間隔でコンビニを設定。どうしても9〜10km空く区間は一部だけにして、間隔が短いところは休憩を短めにしてでも、トイレ休憩を挟む。

参考にしたのは、自衛隊の行軍の「50分行動・10分休憩」というリズムです。8分30秒/km × 7〜8km ≒ 約1時間。つまり、コンビニの間隔でこのリズムを再現していたわけです。

下見は、どこまで必要か

正直に言うと、380km全部の下見はしていません。やったこと・やらなかったことと、その結果です。

バイクで下見した区間(神奈川)

平塚→東京の神奈川区間は、まったく土地勘がない上に東海道ではない独自ルート。地図上でもアップダウンがありそうだったので、事前にバイクで実走しました。(詳細:神奈川 全12エリア実走レポート

これが効きました。本番の最終日は疲労のピーク。それでも全コースが頭に入っていたから、迷いなく進めた。試走に勝るものはありません。

下見しなかった区間で起きたこと

静岡へ向かう茶畑を抜ける区間は初めての道で、イメージがないぶん、片手にスマホを持って地図を確認しながら走る時間が増えました。大井川は想像よりずっと長くて、渡りながら驚きました。

現実解:ストリートビューで8割は分かる

とはいえ、全区間の試走は普通は無理です。そこでおすすめなのがGoogleストリートビュー。ルートを事前にストリートビューで流しておけば、概ねの様子は予想が立ちます。今回、迷った場所はどこも「ストリートビューで見ていなかった場所」でした。

ただし、極端に狭い歩道や、Googleマップに出てこないトンネルなど、現地でしか分からないものもあります。複雑そうな場所だけは実走下見を。人を連れて走るイベントなら、なおさらです。

実例:寒川町・一之宮緑道(廃線跡)

最終日、平塚から青山へ向かう途中に通った一之宮緑道。ここが「8割わかって、2割わからない」のいい見本でした。

ルート全体図

平塚から東京青山までのランニングルートをGoogleマップ上にGPSログで示した地図
平塚から青山へ。GPSログで引いたルート(青色が通るルート)

徒歩のルートは、青線で表記されています。ただ、ストリートビューにして見ると。。。

歩道はストリートビュー無し
緑道の歩道部分には線がありません。つまり、ここはストリートビューで事前に見られない区間です。

寒川町一之宮緑道の廃線跡。車道は青線があるが歩道にはストリートビューが無いことを示すGoogleマップ
車道には青線があるのに、一之宮緑道(廃線跡)の歩道には青線が無い。事前に画面では見られない区間です。

事前のストリートビュー
それでも、入口まではストリートビューで雰囲気がつかめます。「あ、ここを入っていくのか」とイメージはできます。

寒川町一之宮緑道の廃線跡入口をGoogleストリートビューで見た様子
それでも、入口まではストリートビューで雰囲気がわかります

そして当日。鉄道の車輪のモニュメントが出迎えてくれました。地図ではわからなかった、走って初めて出会う風景です。こういう瞬間があるから、旅ランはやめられません。

当日の現地写真

7Days飛脚380当日、一之宮緑道の鉄道車輪モニュメント前を走るランナーたち
そして当日。鉄道の車輪のモニュメントが出迎えてくれました。地図ではわからなかった、走って初めて出会う風景。

ストリートビューで道筋は8割わかります。でも、残りの2割——その道の気持ちよさや、思いがけない出会いは、走ってみないとわからない。だから僕は、いつまでも旅ランをやめられないのだと思います。

宿の選び方:チェーンホテルと洗濯機

宿泊先はこうなりました。

  • 名古屋:相鉄フレッサイン名古屋駅桜通口
  • 豊橋:ドーミーイン豊橋
  • 掛川:ドーミーイン掛川
  • 静岡:東横イン静岡南口
  • 沼津:くれたけインプレミアム沼津北口駅前
  • 平塚:東横イン湘南平塚駅北口1

選定基準です。

ビジネスホテルの客室でベッドに横たわり脚を休めるランナー。壁にはランニングウェアが干されている
その日の宿にて。走り終えたら洗濯して、ウェアを干して、しっかり脚を休める。明るいうちにゴールし、夜は休む。この回復のリズムが、7日間380kmを支えてくれた。
  • チェーン系で揃える:どの街でも使い方が同じなので、疲れた頭で迷わない。これは想像以上に大事でした
  • ドーミーインがある街はドーミーイン:当初は全泊東横インで統一する案でしたが、大浴場でリラックスしたい気持ちが勝ちました
  • 洗濯機は絶対条件:これからの旅ランでも必ず洗濯機のある宿を選びます
  • 名古屋だけは例外で、懇親会のお店(名駅鉄板イタリアン ガイーナさん)が先に決まっていたので、その最寄りで選択。宿は走りだけでなく「夜の予定」からも決まります
  • 沼津は…選択の余地なし。空いていたところに感謝です(前述の1月満室問題)

ゴール設計:参加者の「質問」を先回りで消す

最後に、ゴールの話を。

本当のゴールは青山の院です。でも、院の中に参加者全員が入ることはできません。すると必ずこうなります。「ゴールした後、どうすればいいですか?」「着替えたいんですが…」

そこで、ゴールを**清水湯(銭湯)**に設定しました。走り終えたら、汗を流して着替えられる。この一手で、参加者の不安と質問が先回りで消えます。

実際のフィニッシュは、こどもの城跡地にある岡本太郎先生の「こどもの樹」前。ここで記念撮影をして、そのまま清水湯へ向かうメンバーもいる、という流れになりました。

振り返ると、通過予想時刻表もゴール設計も同じことでした。

岡本太郎の「こどもの樹」前で横断幕を掲げる7Days飛脚380の参加者たちの集合写真。仲野整體100周年記念ランのゴール地点
青山「こどもの樹」前にゴール。380kmをともに走った仲間たちと。ルートづくりは、この一枚にたどり着くための設計だった。

ルート作りとは、参加者の質問を先に潰しておく作業でもある。

これから自分の旅ランを作るあなたへ

「東京から大阪まで走ってみたい」「自宅から実家まで帰省ランしたい」——そんな方への、最初の一歩です。

  1. Googleマップで目的地まで「徒歩」検索する。 距離と時間(休憩なし)が出ます。まずこれが目安
  2. 1日40km走るのか、50kmなのか、自分の脚で逆算する。 ここは人それぞれでいい
  3. その区切りごとに、泊まれる場所があるか確認する。 ビジネスホテルでも、場合によってはテントや公園での仮眠でも。「泊まるべき場所に泊まれる場所があるか」がルートの成立条件です

これだけで、あなたの旅ランの背骨ができます。あとは見どころを1〜2箇所、引き算で残してください。なお、今回実際に走ったルートとペースはIBUKIの走行ログで全行程公開しています。設計の答え合わせに、よければどうぞ。

次にやるなら、変えることは?

走り終えて、ルート自体に大きな後悔はありません。強いて言うなら、ひとつだけ。

ゴールしてから食べるお店を、決めておけばよかった。

今回は調べる余裕がなく、それでも美味しいラーメン屋さんに入れたのは、地元の方が一緒にいてくれたおかげでした。ゴール地点に、急に十数人で飛び込めるお店がひとつあれば最高です。次回の宿題にします。

よくある質問(FAQ)

Q. 旅ランのルートは、何から決めればいいですか? 

A. 最初に決めるのはゴールとスタートの2点です。次にGoogleマップの徒歩検索で総距離を出し、使える日数で割って、1日の距離が自分の脚で現実的かを確かめます。道選びはその後です。

Q. 旅ランでは1日に何km走ればいいですか? 

A. 人によります。今回は1日約53kmで設計しましたが、まずは40kmか50kmか、自分の脚力から逆算してください。1区間が9kmを超えると疲労が急増するので、休憩は7~8kmごとに挟むのがおすすめです。

Q. 通過予想時刻はどう計算しますか?  

A. 平地は8分30秒/km(走力7分30秒+信号待ち1分)、坂道は12分30秒/kmで計算し、休憩10〜15分を足して次の地点へつなぎます。実走では平地はほぼ計算通りでした。予想は厳しめに出し、早く着いた分は休憩に回すのが正解です。

Q. ルートの下見は必要ですか?  

A. Googleストリートビューで全区間を確認すれば、8割は下見の代わりになります。ただし狭い歩道やGoogleマップに出ないトンネル、トレイル区間は現地でしか分かりません。複雑そうな場所と、人を連れて走る区間だけは実走下見をおすすめします。

Q. 宿はいつ予約すべきですか?  

A. ゴールデンウィークの旅ランなら、計画と同時です。今回は1月の時点で三島のホテルがほぼ満室で、宿の空きがルートを決めました。チェーン系ビジネスホテルで、洗濯機のある宿を選ぶのがおすすめです。


380km走って、もうひとつ強く感じたことがあります。「人間が走れる道・歩ける道」が、この国にどれだけあるかということ。歩道が途切れる場所、渡れない交差点。姫街道を諦めた理由も、結局そこでした。この話は、次の記事でじっくり書きます。

姿勢が変わると、人生が変わる。 そして、ルートが引ければ、どこへでも行けます。

姿勢治療家® 仲野孝明


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