2025-05-23

足底腱膜炎でお悩みの方へ|“足の26個の骨”を活かす本質ケア

こんにちは。姿勢治療家(R)の仲野孝明です。

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「かかとにズキッと痛みが…」
最近、日本経済新聞の記事(2025年5月10日付)『かかとにズキッと痛み 足底腱膜炎を疑って早めに対処』をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
足底腱膜炎のつらさ、そして「早期に対処が大切」という呼びかけは確かにその通りです。

しかし、長年多くの患者さんの足を診てきた臨床経験から言えるのは、記事で紹介されている一般的なケアだけでは、なかなか改善に至らないケースがあるということです。

そこで今回は、足底腱膜炎でお悩みの方、また「もしかして…?」と感じている方へ、一歩踏み込んだ視点とご自身でできるセルフケアについてお伝えしたいと思います。

なぜ、いつものケアだけでは足りないのか?

▶ 足の「26個の骨」がうまく機能していない

私たちの足には、片足だけで26個もの骨が存在します。

それぞれが絶妙なバランスで調和し、

  • 地面からの衝撃を吸収し、
  • 足裏のアーチを支え、
  • 正しい歩行を支える、 という働きを担っています。

しかし、足底腱膜炎を抱える方の多くで、この26個の骨の滑らかな動きが失われているケースがよく見受けられます。

結果として足裏の腱膜に負担が集中し、症状として“かかとの痛み”が現れているのです。

靴社会が招いた“足の退化”

本来、人間の足は裸足で使うために設計されています。

ところが現代社会では、靴下やクッション性の高い靴を長時間履く生活が主流になり、足の骨や関節が自由に動ける機会を失っています。

その結果、足の機能はもちろん、全身の姿勢にも悪影響が出ていることは見逃せません。


「歩き方」が原因になっていませんか?

よくある間違った歩き方の例:

  • ドスンと踵に重心を乗せて歩いている
  • 指先が浮いている「浮き指」
  • 股関節や骨盤の可動性が悪く、内股・ガニ股気味になっている

これらは、無意識のうちに足底腱膜へ過剰なストレスをかける原因になっています。




▶ 裸足なら、本当に「踵から着地」しますか?

砂利道を裸足で歩くことを想像してみてください。
おそらく、踵からではなく、足の前方(中足部〜指)で慎重に着地するはずです。

これは、骨格構造に基づいた自然な着地パターンです。

にもかかわらず、「踵から着地する歩き方」が推奨されているのは、“靴ありき”の運動理論であり、裸足が本来の姿である人体には必ずしも適していません。



鎌倉時代から使われていたという、足半(あしなか)という日本古来の草鞋は、足の前面しか接地していません。





インソールは“最後の補助”であって、主役ではない

アーチを支えるインソールの効果は確かにあります。

特にご高齢の方や、変形性関節症など他の部位に負担が出ているケースでは有効ですが、多くの人にとっては、 まず足の機能を取り戻すことが優先です。

私自身、数多くのインソールを試し、提供もしてきましたが、足の本来の機能を高めるケアで改善できる人がほとんどです。

かつて、私自身も多くのインソールを実験してきました。
現在オススメするケースは、ロードバイクやスキーなどの足の26個の足首から下の骨を固定した状態で使うスポーツでは可能性はあるかと考えています。

神様が作った26個の骨と靭帯や固有感覚がバランスをとりマネージメントできるように設計されています。
素足で使う道具だった足を、使い方を間違えた選択の結果、使えない足にしてしまっただけです。
毎日の意識から足の機能を取り戻すことは十分可能です。

臨床家がおすすめする!足のセルフケア3選

1. 足首グルグル体操:26個の骨を目覚めさせる

足の関節を“滑らかに動かす”ことを目的とした体操。内外回し、屈伸、指のストレッチを丁寧に行いましょう。

  • 椅子に座るか、床に座って片方の足をもう片方の膝の上に乗せます。
  • 手で足首をしっかり持ち、もう片方の手を足の指に入れます。
  • ゆっくりと、できるだけ大きな円を描くように、内回し・外回しを各10~20回行います。
  • その後、足首をゆっくり手前に引いたり(背屈)、奥へ押したり(底屈)する動きも加えましょう。
  • 足の指を一本ずつ回したり、指同士を広げるようにしたり、割くように広げましょう




ポイント: 力任せに動かすのではなく、足首周りのたくさんの小さな骨たちが、一つ一つ滑らかに動くのを感じるように、丁寧に行うことが大切です。
骨の位置をチェックし直しても大丈夫です。
私の作っている「暮らしの解剖学」<09足と足指・10足裏を退化させるな・11足首の硬さは全身まで>のところで詳しくお伝えしています。

2. 正しい正座ストレッチ

足首・足の甲・すね前面を一度にストレッチ。
「正座は膝に悪いんじゃ…」と思われるかもしれませんが、正しい方法で行えば、足首や足の甲、さらにはスネの前の筋肉(前脛骨筋)にとって素晴らしいストレッチになります。

  • まず、両膝を揃えて床につきます。
  • 足の甲をしっかりと床につけ、かかとの上にお尻をゆっくりと下ろします。
  • 背筋を伸ばし、深呼吸を数回。時間は30秒~1分程度から。
  • 正座のまま、片膝を上に少し上げるとよりストレッチ効果が高くなります。


注意点:

  • 膝や足首に強い痛みがある場合は無理に行わないでください。
  • お尻とかかとの間に薄いクッションを挟むと、負担が軽減されます。
  • 足の指を反らせるのではなく、足の甲全体が伸びるのを感じましょう。

3. ストレッチボードでのアキレス腱から足裏まで伸ばす

市販のストレッチボードを使って、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)やアキレス腱を効果的に伸ばします。

  • 最初は低い角度から。
    徐々に角度を上げていきます。(最終目標は30度)
  • ボードの上で軽く膝を曲げ伸ばしたり、膝をゆっくり回すことで足底筋膜に関連する筋肉が改善されます
  • 30秒~1分程度キープしたり、ゆっくり呼吸をしながら数回繰り返します。
  • 足を平行に乗せましょう。


まとめ:あなたの”かかとにズキッ”は、足の声かもしれません。

足底腱膜炎は、ただの炎症ではなく、足のバランス崩壊のサインです。

  • 足の26個の協調性
  • 裸足に近い動作
  • 正しい歩き方
  • 足首の柔軟性

これらを取り戻すことが、根本的な改善と再発予防の鍵です。

今日からできること、まずは「足首グルグル体操」から始めてみてください。

そして、それでも不調が続くようであれば、信頼できる専門家に相談する勇気も持ってください。

背伸びは姿勢を取り戻す基本になります。
正しい姿勢を意識することができなければ、正しい歩き方も、足の協調性も取り戻せませんから。
どんな時も忘れずに!!!

一度きりの人生を、しっかり養生できるように。
【医者より養生、薬より手当】
──創業大正15年から受け継がれる、仲野整體が大切にしている信念です。

姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家(R)仲野孝明


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