2026-03-27

【祝・出版】世界を極めた心臓外科医・南和友先生の「一貫性」に震える。新刊『メスを振るえ』を読んで。

こんにちは。 姿勢治療家®️の仲野孝明です。

本物のプロフェッショナルとは、何か。 その答えが、この一冊に詰まっていました。

今日ご紹介するのは、私が心から尊敬する大先輩、心臓外科医・南和友先生の新刊です。

世界で22,000例以上の心臓手術を執刀し、そのうち1,500例以上の心臓移植を手がけてこられた南先生は、毎月定期的に私の治療院へ体のメンテナンスにお越しくださっています。

このたび、その南先生が待望の新刊を出版されました。

その名も、 『世界を極めた心臓外科医の希い。「メスを振るえ」

2月に発売され、一気に拝読しました。 そこには、「命」と向き合い続けてきた一人の医師の、壮絶なまでの覚悟と情熱が刻まれていました。 そして読み終えたとき、これは心臓外科の本ではなく、仕事への向き合い方を教えてくれる本だと強く感じました。


圧倒的な行動量と、妥協しない精度。そして、潔い引き際。

本の中で特に衝撃を受けたのは、南先生がドイツ・バートユーンハウゼン心臓センターで過ごされた時代のエピソードです。

6つの手術室をフル稼働させ、1日18件、年間2,000例近い症例に向き合う。 しかも、わずか7分で心臓を摘出するという、神業のようなスピードと精度。

1995年ごろから講演会などでお話を伺う機会はありましたが、具体的な数字や当時の仕事の詳細が文章として目の前に現れると、その凄まじさが一気に現実味を帯びてきます。

すごい人は、やはり行動量が違う。 しかも、その行動が雑ではなく、徹底している。

そんな南先生が、現在はメスを取りません。

外科医がなりやすいデュピュイトラン拘縮。 長年にわたって手の糸を結び続けてきたことで、南先生もその状態になられた。 本の中でその事実は、シンプルな一行で記されていました。

ただそれだけで、先生は現場を降りた。

言い訳もなく、未練を引きずるわけでもなく。 自分の体の状態を正確に把握し、静かに、潔く。

これほどの実績を持つ人間が、自分の限界を自分で判断して退く。 それができるのは、誰よりも真剣に仕事と向き合ってきた人間だけだと、私は思います。

全力でやり切ったからこそ、引き際がわかる。 この姿勢もまた、本物のプロフェッショナルの証です。

1,500例を超えても忘れない「最初の鼓動」

もう一つ、強く心を打たれた場面があります。

それは、初めて他人の心臓を移植し、その心臓が動き出した瞬間の記憶について綴られていた部分です。

脳死の判定がまだ難しかった1989年ごろのこと。 1,500例以上の移植に関わってきた先生が、なおその最初の瞬間を鮮明に語られる。

どれだけ経験を積んでも、最初の感動を忘れない。 これこそが、長く第一線に立ち続けられる人間の共通点ではないでしょうか。

仕事に慣れたとき、人は少しずつ感覚を鈍らせていきます。 でも南先生は違った。 2万例を超えてもなお、一件一件の命と真剣に向き合い続けた。

その姿勢が、世界レベルの仕事を支えていたのだと思います。


「僕の最終章はこれから始まる」

南和友クリニック1周年記念式典の時(2020年)

南先生のすごさは、過去の実績だけではありません。 むしろ、本当にすごいのは今もなお前を向いていることです。

先日お会いした際、「書籍を読みましたよ!」とお伝えすると、先生は笑顔でこうおっしゃいました。

「僕の最終章はこれから始まるから」

そして、2026年4月からの豊洲Dタワーホスピタルへのご就任を、とても楽しみにされていました。

メスを置いた後も、前へ進む。 形が変わっても、仕事への情熱は変わらない。

これだけの実績を残せば、「もう十分」となってもおかしくありません。 ですが南先生は違う。まだ前へ。まだ挑戦へ。

この言葉と笑顔が、頭から離れません。

結果を出した人間が、さらに前へ進もうとする。 この姿勢こそが、本物のプロフェッショナルの証だと、私は思います。


一流の仕事は、一流の体の使い方から支えられる

南先生は、常にベストな状態で医療に臨むために、日々の生活を誰よりも律しておられます。 ご自身の体の使い方を確認し、整え続けるために、私の元へ来てくださっている。

世界一の技術を支えているのは、才能だけではない。 結局は、日々の確認と、一貫した積み重ねです。

私は姿勢治療家として、日々さまざまな方の体を拝見しています。 その中で強く感じるのは、本当に高いレベルで仕事をしている方ほど、自分の体をおろそかにしないということです。

集中力。判断力。持久力。 そして最後の最後で踏ん張る力。

これらは気合いや根性だけでは保てません。 土台になるのは、やはり體(からだ)です。

どれだけ志が高くても、体がついてこなければ続けられない。 逆に言えば、体が整えば、挑戦は長く続けられる。

南先生の生き方は、そのことを全身で証明しています。


仕事に本気な、すべての人へ

この本は、心臓外科に興味がある方だけに向けた本ではありません。

仕事に本気で向き合いたい人。 プロとして長く第一線に立ち続けたい人。 結果を出した後も、さらに前へ進みたい人。

そんな方であれば、生き方のヒントを書籍から感じ取れるはずです。

南先生から学ばせていただいている仕事への姿勢を、私も日々の診療にしっかり活かしてまいります。

南先生、このたびは素晴らしいご著書の出版、本当におめでとうございます。

書籍情報

書名
世界を極めた心臓外科医の希い。「メスを振るえ」』(はる書房)

著者
南 和友 山岡淳一郎

過去のベストセラーとは違い、読み手を選びますが、心臓外科医としての先生の姿勢が勉強になります!

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