自分で決めるという姿勢|伊達公子さんと粟田貴也さんの講演を聴いて
元テニスプレイヤーの伊達公子さんと、丸亀製麺を展開するトリドールHD代表・粟田貴也さんの講演をAthReebo経営者交流会にて拝聴しました。

テーマは「挑戦」「意思決定」、そして「運を引き寄せる力」。
お二人の言葉に、**姿勢治療家®️として日々感じている“体と心の軸の関係”**が重なって見えました。
目次
自分で決めるということ
伊達さんが高校時代に、修学旅行に行かず「プロとして生きる道を選んだ」というエピソードが印象的でした。
その決断には、まだ世界が見えていない高校生が、自分の未来に責任を持つという“覚悟”を感じました。
この話を聞きながら思ったのは、人は決断することで体の軸が変わるということ。
決めた瞬間に、重心がスッと下がり、目線が定まる。
言葉にすると簡単ですが、退路を断つことで、身体の使い方も無意識に変わります。
不安がなくなるわけではなく、「向かう方向」が定まることで体が自然に前へ出ていく。
手が届かないような大きな目標と、身近な目標を同時に設定し、行動を形にしていく姿勢も印象的でした。
“スイッチが入る”ことで、やるべきことを逆算していく思考回路が自然と動き出しているようにも感じました。

粟田さんも「やりたいと自ら口に出すことで、恥ずかしくないように進めてきた」と語られていました。
自分の声に責任を持つ瞬間、人は姿勢まで変わる。
まさに実践に裏づけされた言葉でした。
治療の現場で大切にしていること
私が臨床で一番大切にしているのは、「今この瞬間、相手にとって何がベストか」という一点です。
自分の都合ではなく、相手の未来にとって必要なことを選ぶ。
簡単なようで難しく、だからこそ面白い。
この先また出会えるかは分かりませんが、今伝えなければいけないことを、しっかり伝えること。
ミュージシャンの方が言っていたのですが、私の書籍は“アルバム”、治療の時間は“ライブ”だと。
まさにその通りだと思います。w
診療内容を共有し、共通認識を持ちながら、相手のためにできることを行う。
そんな先生をこれから輩出していきたいと思っています。
マニュアルにすれば効率化できるかもしれません。
しかし、毎回の治療は**生きている人間との“生の対話”**です。
粟田さんが「うどんを粉から、店舗で作ることが非効率でも目の前で作ることをやめなかった」と語ったように、
創業の地・香川県のうどん製麺所の熱気を、どの店舗でも再現する。

セントラルキッチンでの効率よりも、目の前のお客様に熱々の出来立てを提供する。
その“原点を守り抜く姿勢”の積み重ねこそが、2000店舗という現在の規模に繋がっているのだと思いました。
運を引き寄せる人の共通点
運を引き寄せる人は、共通して柔らかさを持っています。
肩の力が抜け、呼吸が深く、相手に話しかけやすい空気を纏っている。
体がリラックスしていると、心もひらかれる。
その「ひらかれた姿勢」こそが、チャンスを受け取る準備なのだと思います。
お二人の言葉の端々に、共通した空気を感じました。
個性は動きに表れる
人の個性は、動き方に表れます。
柔軟な体は、柔軟な思考を生み、臨機応変に状況を捉える力をもたらす。
経験上、思い込みが強い方は動きが硬く、呼吸も浅くなりがちです。
反対に、優しさや余白を持つ方は、体の動きにもしなやかさがある。
特にデスクワーク中心の現代社会では、股関節の柔軟性が思考の柔軟性に直結しているように感じます。
肩を丸めて使うと背中が丸くなり、呼吸も浅くなりやすい。
伊達さんと並んで写真を撮らせていただきましたが、
その姿勢の美しさ、体幹の安定感には見事なものがありました。

挑戦する人の體(からだ)
挑戦する人の體には、素直さがあります。
「体」という字はもともと「體」と書きます。
“骨に豊か”と書くこの字には、古来の日本人が「からだを大切に生きる」という意味を込めていました。
私は意図的にこの旧字を使いますが、
お二人ともまさにこの“骨に豊かな體”をお持ちだと感じました。
思いついたことを試せるしなやかさ。
そして動ける体調。
今回のお二人には、穏やかな柔らかさと挑戦への前向きなエネルギーが共存していました。
臨床でも、そんな“挑戦できる体”の変化を日々見ています。
去年よりも軽やかに動ける。駅の乗り換えで走れるようになった。
庭の柿の実を自然に取れるようになった。
動けるようになる喜びは、人生の喜びとつながっています。

おわりに
伊達さんの「覚悟」と粟田さんの「信念」。
そのどちらにも共通していたのは、自分の軸で立つという姿勢でした。
姿勢とは、体の形ではなく、生き方そのもの。
「體(からだ)」の様子を「姿(すがた)」と呼び、その勢いが「姿勢」になる。
講演を通して、改めて確信しました。
姿勢が変わると、人生が変わる。






















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