コレステロール値は運動で下がるのか?LDL250の姿勢治療家が380km走って血液検査した結果
こんにちは、姿勢治療家®︎の仲野孝明です。
健診の結果票を見て、「LDLコレステロール:要注意」の文字にため息をついたことはありませんか?
実は私もその一人です。それも30代の頃からずっと。健康のプロとして「姿勢が変わると、人生が変わる」とお伝えしている本人が、血液検査のたびに「コレステロール、高めですね」と言われ続けてきました。
その私が、7日間で380kmを走る「7Days飛脚380」の前後で血液検査をして、ある実験をしました。今日はその結果と、そこから見えてきた「薬に頼る前にできること」のお話です。
目次
まず結論:LDLコレステロールが「250→181」に下がりました
先に結果をお伝えします。
- 走る前:LDLコレステロール 250(薬の処方を勧められてもおかしくない数値)
- 7日間・380km走破の3〜4日後(2026年5月11日):181(マイナス69)
- 検査をお願いした医師も「薬を飲む以上の効果が出ていますね」と驚かれました
年間で血液検査を続けてきた中で、250の年も、230の年も、200の年もありましたが、一気に約70下がったことは過去にありません。
ちなみにこの間、特別な食事制限はしていません。むしろ走り続けるために、しっかり食べていました。
私のコレステロールが高い理由 — 家族性(遺伝)です
私のLDLが高いのは、いわゆる「家族性」。母も、兄弟も同じ傾向があり、遺伝的に高くなりやすい体質です。
運動を始める前の30代前半、初めて血液検査をしたときから中性脂肪とコレステロールが高く、以来ずっと「自分は高めの体質だ」と自覚しながら、食事と運動で付き合ってきました。
食事を工夫すると善玉(HDL)は60〜80くらいまで上がるのですが、悪玉(LDL)はどうしても高い。日本の基準値140を大きく超える250前後が、私の「いつもの数字」でした。
健診で同じように引っかかっている方、けっこう多いのではないでしょうか。
基礎知識:悪玉と善玉は「運び屋」と「回収係」
ここで少しだけ、コレステロールの整理を。
コレステロールは脂質の一種で、細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料になる、生きる上で欠かせない物質です。「悪い油」と思われがちですが、本来は必要なもの。
血液の中では、タンパク質とくっついて運ばれます。
- LDL(悪玉):肝臓から全身へ脂肪を届ける「運び屋」
- HDL(善玉):全身を回った脂肪を回収してくる「回収係」
つまり、どちらも仕事をしているだけ。問題はバランスです。一般に、LDLがHDLの2倍程度までなら大きな問題はないとされています。
私の場合は「届ける側」が異常に頑張る体質。実際、今回の出発前の数値はLDL250に対してHDL61。目安とされる「2倍まで」を大きく超える、約4倍です。届ける量が多すぎて回収が追いつかないと、血管の中に脂肪が溜まり(プラーク)、動脈硬化→心筋梗塞・脳梗塞のリスクが上がっていく、という流れです。
実験:7Days飛脚380の前後で血液検査をしてみた
今回の7Days飛脚380は、四日市から東京・青山まで、1日50km前後を7日間走り続ける旅でした。
「この体質の自分が、1週間走り続けたら血液はどう変わるのか?」
これを確かめるために、出発前(2026年4月20日)と、走破から3〜4日後(2026年5月11日)の2回、血液検査をしました。
【走る前の血液検査結果(2026年4月20日・LDL 250/HDL 61)】

【走破後の血液検査結果(2026年5月11日・LDL 181)】

数字は嘘をつきません。250→181、マイナス69です。
なぜ下がったのか?カギは「脂質代謝」
人間の体には、大きく2つの燃料システムがあります。
- 糖(炭水化物)を燃やすモード:短時間・強めの運動向き
- 脂肪を燃やすモード(脂質代謝):長時間・ゆるやかな運動向き
7Days飛脚での私の走り方は、心拍数120前後、1km7分〜7分半。息が上がらず、ずっとおしゃべりを続けられるペースです。「走る」というより「速めの散歩」に近いイメージかもしれません。
この「ゆっくり・長く」を7日間続けたことで、体は糖だけでは足りなくなり、血中の脂肪をどんどん燃料として使った。運び屋(LDL)が届けていた脂肪が、エネルギーとして消費された——これが約70下がった理由だと考えています。
そして気づいたのです。LDLが高い体質は、裏を返せば「脂肪を燃料に長く動き続けることに向いている体質」なのではないか、と。
それでも薬を飲まない理由 — 私の判断基準
誤解のないようにお伝えすると、私は薬を否定していません。自分の中に明確な判断基準があるだけです。
コレステロールは、体の中を修復する材料でもあります。脳の多くは脂質でできていますし、傷ついた組織の回復にも使われる。「修復燃料をたくさん運べる体質」の良い面を、薬で一律に消したくないのです。
私が薬を使うと決めている条件は:
- 血圧が上がってきたとき(現在は標準範囲内)
- 運動でコントロールできなくなったとき
- 睡眠や日中の体調に問題が出てきたとき
今は夜ぐっすり眠れて、朝は自然に気持ちよく目が覚めて、日中も絶好調。「健康ですか?」と聞かれたら秒で「はい」です。この段階では、運動で付き合っていく、が私の選択です。
※これはあくまで私個人の体質と判断です。数値が高い方は、必ず医師と相談しながら進めてください。
健診で引っかかったあなたへ — まず「週末に長くゆっくり動く」から
もちろん、誰もが1週間で380km走る必要はありません(私も月1回が限界です。笑)。
今回のデータから見えた現実的なラインは、週末に3〜4時間、心拍を上げすぎずに動き続ける時間をつくること。
ポイントは3つだけです。
- 速さはいらない:おしゃべりしながら続けられるペースでOK。運動習慣ゼロの方は、まずウォーキングからで十分です
- 時間を長く:毎日30分より、週末に「3時間動き続ける日」を1日つくるイメージ
- 移動を運動に変える:一駅手前で降りて歩く、週末の観光を「歩く旅」にする。私はこれを極端にやったのが「飛脚スタイル」です
「めんどくさい」と感じるかもしれません。でも実は、めんどくさいと感じること自体が、体がちょっと不健康ゾーンに入り始めているサインなんです。
すでに走っているランナーの方へ — LDLが高めなら「もっと長く」が向いているかも
普段から走っているのに、健診のLDLだけが高めで気になっている。そんなランナーの方もいると思います。
今回の私のデータが示しているのは、短く速く走るより、長くゆっくり走る方が脂質代謝のスイッチが入りやすいということ。週に数回の5〜10kmランで数値が動かないなら、月に1回、心拍120前後で3〜4時間動き続けるロング走の日をつくってみてください。
LDLが高い体質は、見方を変えれば**「脂肪というタンクを大量に積んだ、長距離仕様のエンジン」。
スピード練習より、ロングの旅ランにこそ向いている体かもしれません。むしろウルトラマラソンやロングトレイルへの適性のサインだと、私は本気で思っています。
人類の歴史から見れば、「これくらい動く」のが標準です
「7日間で380kmなんて、特別な人にしかできない」と思うかもしれません。
でも、考えてみてください。江戸時代の飛脚は、毎日何十kmも走って手紙を届けていました。それより前の何万年も、人類は食べ物を求めて歩き、走り続けてきた生き物です。
高度医療が発達したのは、人類の長い歴史の中のわずか100〜150年。「動かない生活」の方が、人類史的にはずっと異常事態なんです。
つまり、週末に3〜4時間動くことは「がんばって運動する」ことではなく、体が本来想定している標準モードに戻してあげること。コレステロールの数値は、「設計通りに使ってくださいね」という体からのメッセージなのかもしれません。
よくある質問(FAQ)
Q. コレステロールは運動だけで下げられますか? A. 体質によります。私(家族性・LDL250)の場合、7日間380kmの低強度ランニングで約70下がりましたが、これは極端な例です。まずは血液検査で自分の数値を把握し、医師と相談の上で運動量を調整してください。
Q. 運動が苦手でも効果はありますか? A. 大切なのは強度より「長く動き続ける時間」です。会話ができるペースのウォーキングを週末にまとまった時間(まずは1〜2時間から)行うことから始めてみてください。
Q. 普段走っているのにLDLが下がりません。なぜですか? A. 短時間・高強度の運動は主に糖を燃料にするため、脂質代謝のスイッチが入りにくい可能性があります。心拍数を抑えた長時間のロング走を月1回取り入れてみてください。
Q. 下がった数値は維持できますか? A. 運動量に比例して戻ると考えています。私も今後、定期的に検査をして「自分に必要な運動量」を数値で確かめていく予定です。続報はこのブログでお伝えします。
まとめ:数字は、体からの手紙
家族性でLDLコレステロール250だった私は、7日間380kmの低強度ランニング(心拍数120前後)で、181まで下げることができました(2026年4月20日→5月11日の血液検査による実測)。
「運動しましょう」と言葉で言われても、人はなかなか動けません。
でも、自分の血液データが目の前で約70下がるのを見ると、話は別です。体は正直に、数字で返事をくれる。
コレステロールが高い=悪、ではなく、自分の体の「使い方の歴史」と体質を知るヒント。そして人類の歴史から見れば、長くゆっくり動き続けることは特別なことではなく、体が本来想定している「標準」です。
健診の数字にモヤモヤしている方も、走っているのに数値が動かないランナーの方も。まずは週末、いつもより長くゆっくり動いてみてください。あなたの体も、きっと返事をくれます。
関連記事:380kmを走った7日間の記録はこちら ▶︎ 仲野整體 創業100周年企画|7Days飛脚380(四日市→東京青山)
※本記事は個人の体験に基づくものであり、医療行為・診断を目的としたものではありません。気になる数値がある方は医療機関にご相談ください。
― 7Days飛脚380 全記録シリーズ ―
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終章:日本の道に足りないもの

仲野孝明(なかの たかあき)は、姿勢治療家®。1926年(大正15年)創業、100年の歴史を持つ仲野整體東京青山の四代目院長を務める。「姿勢が変わると、人生が変わる」を信条に、正しい姿勢と身体の使い方を伝える施術・指導を行う。
著書は7冊。代表作『調子いい! がずっとつづく カラダの使い方』(サンクチュアリ出版)ほか、姿勢と健康に関する著作を通じて、多くの読者に身体の使い方を伝えてきた。企業の健康支援にも力を注ぎ、法人向けに姿勢と身体の使い方を伝える「日本のオフィス健康プロジェクト(NOK)」を立ち上げた。
自身も38歳からランニングを始めた実践者であり、サハラ砂漠マラソン、アタカマ砂漠マラソン、UTMB(160km)、トルデジアン(330km)、IRONMANトライアスロンなどの過酷なレースを完走。2026年には治療院創業100周年を記念し、四日市から東京青山まで380kmを7日間で走る「7Days飛脚380」を完走した。臨床の知見と自らの身体実験を融合させ、ブログ・YouTube「姿勢の医学」・PODCAST「姿勢が変わると、人生が変わるラジオ」などで姿勢と身体の使い方を発信し続けている。





















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