TOR330トルデジアン2024備忘録-6_最大の難関ドンナスからグラッソネイへステージ4−1
このブログでは、姿勢治療家・仲野孝明が2024年9月に参加しました、330kmの山岳耐久レース「トルデジアン」のレース状況を振り返りながら記載しています。
準備段階で、Outdoreactive.comでコースタイムなどを調べ、Googleマップや、過去の参加者のブログなどから予想していた内容と、レースを実際に終えての振り返りを記載しました。
トルデジアンに特別興味が無い方にとっては、あまり参考ならない内容かもしれません。
トルデジアンは、イタリア12州で1番小さいアオスタ州ぐるっと一周回る大会。マッターホルン・モンブラン・モンテローザがある山岳部で行われ、330km、29,000m以上を登ったり降ったりする大会になっています。
休憩時間も睡眠時間も食事の時間も、すべてレースタイムに含まれ制限時間150時間以内に戻ります
気温の変化は、-15℃から30℃程度の変化
真夏から、吹雪までの山の厳しさを体験することができます。
標高300m〜3,300m の差があります。過酷な状況も、正しい姿勢、人間本来の身体の使い方であれば、完走できるはず!!
姿勢治療家(R)は、身体の使い方からパフォーマンス改善する仕事です。
使い方が正しければ、完走できる。
【食べる・寝る・自分の足で移動する】この人類の原点を体験し臨床や人間のあるべき姿の探究してきます!
人間本来の使い方は、どうあるべきなのか?
Q:このステージを一言で伝えると
A:グラッソネイからトルデジアンが始まると言われたり、超えたら9割が完走できると言われるほどトルデジアン最大の関門ステージである。
目次
ステージ4
Donnas(ドンナス)→Gressoney(グレッソネイ=セント=ジェアン)
149km地点→204km地点
Gressoneyまでの距離合計 54.23km
Gressoneyまでの獲得標高 D+5,933m D-4,881m
Gressoneyの制限時間 IN 1:00 OUT 3:00
途中関門が2つある唯一の区間。(Baroma 15:00、Niel 21:30)
Donnas | D3 23:58 |
PERLOZ | D4 01:49 |
Sassa | D4 04:52 |
Rifugio Coda | D4 08:26 |
Rifugio della Barma | D4 12:25 |
LAGO CHIARO | D4 15:07 |
Col.DELLA VECCHIA | D4 16:55 |
Niel/D4 19:30 or 21:30 | D4 19:12 |
LOO | D4 22:15 |
Gressoney | D5 00:21 |
D+5933 D-4881 区間タイム | 24:23 |
エイド滞在時間 | 2:35 |
<地図>
全体の地図の右下になります。細かく山岳部になります。
<高低差マップ>
※バロマ小屋までの数々の山と、ニエルからの最後の山場の2つの大きな構成になっている
公式地図でも細かいアップダウンを繰り返すのがわかります。
<このステージで考えていたこと>
・よく寝たことで、睡眠に関して変化があるのか?
・最大の難関コースとわかっていて、どのように移動できるか?
・どこまで難易度が高いか
Donnnas(ドンナス)→PERLOZ(ペルロ)
<予想>
ドンナス 標高 322m
現在の距離 149.95km
エイドの制限時間 9/11 水 IN2:00 OUT4:00
しっかり休息して、ここから本番に備えたい。
ここからが、トルデジアンと言われる。
しばらく町で走れる、登りがはじまるまで走っていく。
紀元前1世紀にできた橋を通過する
Pont-Saint-Martin この橋の名前が街の名前になっているようです。
ローマ橋
https://en.wikipedia.org/wiki/Pont_Saint-Martin
橋を越えると登りに。
コースタイム3時間。 2時間を切って、1時間40分なら最高
登り基調。
<結果>
Donnas (ドンナス) 23:58 出発 PERLOZ(ペルロ) 1:49 着
身体の状態は、踵の痛みがあること。登りで踵にあたりすぎて痛み出現していました。
この時点では、靴下を2枚重ねでした。
固めの5本指(インナーファクト:和紙系)生地の硬さが踵への長時間の圧迫で痛めてきているように感じていました。
ハイドロコイドを貼るものの、容積的に一杯なのか、厳しい状況。次なるエイドで靴を変更することを考えながら進みました。
いままではなかったものの、100マイル履いてきて気がついたのは、
左の踵の形状と、アルトラオリンパス6で若干形が違うのかもしれないことでした。
あと一点あるとすると、サイズをUS10でレースをしていますが、これまでのステージレースは、US10.5で参戦してました。
スピード系のトレーニングで足のサイズが小さくなっていたのですが、サイズが小さかったかもしれません。
10年以上もレースを行なっており、靴のサイズが気になるのは久々でした。
<D4 1:49 着>
だらだら登ってましたが、1時間51分で到着、予定より10分遅れでした。
ばななさんこと、makotoさんと
エイド17分休憩して、踵にテーピングをして、コーヒーを飲みました。
深夜ということもあり、エイドスタッフもいるが選手も残りすくないのか?静かなかんじでした。
D4 2:06発
Perloz(ペルロ)→Tour d’Hereraz (トゥール デレール)→La Sassa
<事前予想>
簡単に到着しそう。
夜の教会などライトアップが綺麗かもしれない。
Perloz(ペルロ) 648m 155.56km 区間距離5.78km 区間D+646m 区間D-319m
POI R
距離883m
コースタイム35分 なので、20分で降りたい。
<実際>
18分程度、山の中適度な下り斜面。予想通り登り切り左にエレールの塔。
あっという間に到着。
D4 2:27
こちらも、遅いのでWポイントは見当たらず。。
どうも時間が遅くなると無くなるのがWポイントなのでしょうか?笑
Tour d’Hereraz (トゥール デレール) 559m 156.42m 区間距離0.86km 区間D+110m 区間D-200m
POI W
<事前シュミレーションでの情報や地図情報>
エレールの塔 中世の歴史ある塔のようです。
https://it.wikipedia.org/wiki/Tour_d%27H%C3%A9r%C3%A8res
この後はゆるやかな登りが続きます。
ここから登ります。626m→1439mへ
前半部分距離4.1km
コースタイム1時間50分
後半部分距離2.4km
コースタイム1時間40分
4.1km+2.4km=6.5km
6.5kmコースタイム 3時間30分 2時30分でぬけたいところ。(コースタイム✖️0.7)
前のエイドの、ペルロから2時間40分を目標に
<実際>
Perloz(ペルロ)1:49 →La Sassa 4:52
3時間1分で到着しました。
眠気にすごく襲われました区間になりました。
ドンナスでの3時間の仮眠は意味あったの??
と感じるほど笑。
短くても一緒だったのでは自問自答しなら進みました。
実際4.1km は想定通りで動けていました。
もう少しフラフラだった記憶ですが、前には進んでいたようです。
GPSから見直すと
合計すると2時間25分予定どおりでした。
夜間の走行で、体温が下がったのか
このLa Sassaでお腹の調子を崩してなぜか、トイレを捜して往復してしまいます。
※このトイレが登らされて。。。コースの先にありました。
なぜか、荷物を置いて行ったため戻ることに。
どこでもトイレなのでできるのですが。。。
※この大会は、自然の中すべてトイレOKだったのですが、なぜか探して往復という、睡眠不足で頭が回っていない状況でした。笑
エイドで眠さもあり、公式のタイムは残ってませんが40分ほど滞在してました。
D4 4:53 着→D4 5:32発
※この小さな40分が結果大きな違いになるのがレースでした。笑
La Sassaのエイドは、実際にグーグルマップで意識していたのと違って、小屋の外にテントが貼ってあるタイプでした。
簡単な軽食ですが、ゆっくり寝ている場所などはないパターンでした。
La Sassa→Rifugio Deifo E Agostino KODA
La Sassa 標高1439m 162.87km地点
POI R
<事前シュミレーションでの情報や地図情報>
ここから800mUP森林限界より上まで上がるため、時間帯によって気温天候注意?
Mont Portola
Col Cansey(2124m)を通過する。
距離 4.4km
コーダ小屋まで4.4kmコースタイム2時間半。
1時間50分ぐらいで登りきりたいところ。
<実際>
la Sassa発5:32→KODA着8:26
この区間が2時間56分
完全に寝落ちしたコースでした。
予定より1時間オーバーでした。
靴紐を結んでいたら30分以上経過していたのもここです。
Coda小屋でばななさんこと(まことさん)に、15分程度の睡眠がオススメと、アイマスクとダウンジャケットを利用してどこでも寝てしまう技を教わりました。
この先では15分の睡眠を大切にしていくことになります。
KODA小屋はやっぱり、トルデジアンを代表する小屋で、景色も最高でした。
寝落ちをした後の朝日は最高でした。
全方向快晴。
トルデジアンで唯一の稜線。
意外に稜線にでてからも、距離があります。
そして、太陽が昇ると日差しがきついため、夜と違い暑く感じる気温でした。
北西方面
後ろに見えている山は登ってきた山なのかな?
少し尖っているのが、マッターホルンかな?
この山々を今から、抜けていきます!
やっと到着、ドンナスからここまで、上り基調が続きました。
24時に出発して、8時26分到着!
長かったCoda小屋!絶景でした。
※今回の日本人完走者でこの時間に到着は1番最後尾になってました
※次参加するなら、目標を21時〜25時あたりで通過したいです。(あくまで参加するなら笑)
まだテントがありますが、少し片付け始めめてました。
トップ選手は、昨日の6:33に到着していますので、ほぼ25時間遅れていることになります。
8:26着
Rifugio Delfo E Agostino Coda 標高2252m 167.31km地点
POI R+A
しっかり食事をさせてもらいました。
パルメザンチーズも美味しく、僕にとってはエイド食は何も不自由なく頂けました。
Codaでは、スイカも、コーヒーもいただきました。
血糖値は、エイドで食べた時には少しアップしています。
眠くて朦朧としてる時間帯でも150
食べると180〜200ぐらいまで上昇します。
ばななさん到着!(ここで15分睡眠の仕方をレクチャーしていただきました!)
直射日光があついので、レインを脱ぎました。
足のケア(踵のテーピング)をメディカルでサポートもらい、結局40分ほど滞在。
カフェラテとスイカが特に美味しかった。(写真がないのが残念)
服装は、暑くなるまで、
・ファイントラックアームカバー
・エクスビオニック TWICE
・山と道 アルファーベスト
ハイテクなウエアで、2枚で完結してます。
Rifugio Delfo E Agostino Coda→Rifugio Del Lago Della Barma
Rifugio Delfo E Agostino Coda 標高2252m 167.31km地点
POI R+A
<事前シュミレーションでの情報や地図情報>
この小屋から、テクニカルなため、できるだけ明る時間に通過していきたい。
通過時間を逆算する。
colle sella(2240m) 左へ。
湖分岐左。高電線あり?
1800mまで緩やかに沢までくだり。
距離 4.8km コースタイム2時間
コースが少しながいので、30分コースタイムに加える
2時間半がコースタイムとする。
◯Alpe Vargno 1868m 173.01km 区間距離5.71km
区間D+345m 区間D-728m
若干下り基調
画像なし。
テクニカルな岩場が続きそう。気温の変化や、手袋など、2000mの稜線移動。
距離1.1km コースタイム45分
距離1.5km コースタイム1時間5分。
<Coda小屋→Balma小屋の距離とコースタイム>
Coda小屋→Alpe Vargno 4.8km 2時間30分
Alpe Vargno→Balma小屋 2.6km 1時間50分
合計 7.4km 4時間20分がコースタイム
3時間20分で予想した。※おおむねコースタイム✖️0.7ペース
<実際>
Coda小屋D4 9:07出発
Balma小屋到着 12:25到着
3時間18分!誤差2分で到着でした。
絶景すぎて、この区間は写真を撮りすぎました。笑
以下写真集になってます。
この区間、昨年度の優勝者のColle francoは、1時間48分で通過しているようです。
今年の2024年優勝者 Caster Brianは、6:33→8:57 で2時間24分でした。
レースというより、観光登山化してきてないか少し心配ですが。動けるところは、8割程度の速度で移動。
右奥の平野はミラノ方面です。
この斜面に沿った道を走ります。
アルプスのような岩場が増えてきました。
トルデジアン最大の難関が、景色が良すぎて。
天候にも恵まれ、日焼け止めがないことが残念です。ライフエイドの預け荷物に入れっぱなしで思いっきり日焼けしました。笑
大きい岩の地形が多く、かっこいい石もたくさんありました。
岩の横を通っていきます。
日本アルプスも素晴らしいですが、本場のアルプスは石の表情が面白い。
形も興味深いです。
しっかり登山道なので、マーキングがあり、この天候なら迷いません。
serrafredda とGPSにあった山小屋
balma小屋もなかなか現れない小屋でした。
夜中だとすごく長く感じそう。
バロマ小屋?とおもったら違いました。
こちらが本物です!
<D4 12:25到着>
Balma小屋の足切りが15:00。
この先の長さを考えると、素早く移動した方がよいと判断して <D4 12:51>出発
トルデジアンは、偶数のステージが特にきついときいていたので、先を急ぎました。
エイドの空気感は、ゆったりした空気が流れており、ボリュームゾーンが終わった空気でした。
昨夜D3 22:00からD4 9:00 までがボリュームゾーンだと思われます。
急がねばという空気に切り替えました。
※今後挑戦される方へ
この時間で完走しているのは、私が最後です。この時間より前に通過しましょう!
トルデジアンで過去の完走者と話す時に使える会話
Qバロマ小屋、何時でしたか?
2024年トップ選手が、8時57分。
日本人トップで15時29分
ボリュームゾーンが22時から9時頃なので、走力の目安になります。
私は、12:25着で日本人完走者としては、最後尾でした。一つの目安になると思います。
Rifugio Del Lago Della Barma 標高2024m 175.79km地点
POI R
つづく
【TOR330トルデジアン2024挑戦シリーズ】
TOR330トルデジアン2024備忘録-1:日本からイタリアへ『自分のレースに徹する』挑戦の旅
http://takaakinakano.com/torx2024_1/
TOR330トルデジアン2024備忘録-2:レースの幕開け:クールマイヨールでの準備と出発前のひととき
http://takaakinakano.com/tor2024_2/
TOR330トルデジアン2024備忘録-3_雨の中で始まった挑戦の旅_ステージ1
http://takaakinakano.com/tor2024_3/
TOR330トルデジアン2024備忘録-4_前半の山場ステージ2:3つの山を越えてコーニュへ
http://takaakinakano.com/tor2024_4/
TOR330トルデジアン2024備忘録-5:コーニュからドンナスへ、山と自分との対話 ステージ3
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TOR330トルデジアン2024備忘録-6_最大の難関ドンナスからグラッソネイへステージ4-1
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TOR330トルデジアン2024備忘録-7_最大の難関ドンナスからグラッソネイへステージ4-2
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TOR330トルデジアン2024備忘録-8_グレッソネイからヴァルトゥルナンシュへ睡魔と絶景で感動のステージ5
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TOR330トルデジアン2024備忘録-9_ヴァルトゥルナンシュ→オロモントへ_あわや関門アウトにステージ6
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TOR330トルデジアン2024備忘録-10_オロモント→クールマイヨールへ_感動のゴールまで
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