トルデジアンに向けた挑戦と教訓:オーバートレーニングが教えてくれたこと
いよいよ本番まで残り4週間となり、少し体調を崩してしまった姿勢治療家の仲野孝明です。
今回は、トルデジアンTOR330に向けての練習で、オーバートレーニングによって体調を崩してしまった経験についてお話しします。
この経験から学んだことを皆さんと共有できればと思います。
目次
トレーニングの内容と詰め込みすぎた感覚
トルデジアンは、私にとってこれまでの挑戦の中でも最大の目標です。正直なところ、いつも少し背伸びした目標を立てている気がしますが、それが私のスタイルです。今回は数ヶ月前から、厳しいトレーニングプランを組み、週に1回のロングトレーニングや全力で走るレースを取り入れてきました。ジョギングは週に1〜2回行い、できるだけ疲労回復を考え、睡眠時間を多めにとっていました。しかし、週末にはトレーニングルートの再確認や装備品の検証など、やりたいことが山積みで、心理的な疲労も蓄積していたのかもしれません。
最初のうちは「まだ大丈夫」と感じていましたが、次第に疲労が抜けにくくなり、眠りも浅くなってきました。それでも「これがトルデジアンを完走するために必要な練習なんだ」と自分に言い聞かせ、休むことを恐れていました。
トルデジアン330は、制限時間150時間(6日と6時間)で、330kmの山岳地帯を走破する大会です。想定される睡眠時間は1日2時間ほどで、活動時間は20〜22時間に及びます。24時間ぶっ続けのトレーニングが必要だと考え、無理をしてしまいました。
COROSのバーテックス2で練習のログを取り、カロストレーニングハブで適切な負荷を確認していたつもりでしたが、もっとやらなければという気持ちが先行してしまいました。
その結果、お盆休みとして予定していた8月11日から14日の北アルプストレーニングを完全にダウンしてしまいました。
土曜日の仕事が終わる頃から、気力がなくなり、疲れやすく、心拍が上昇し、咳が出るなど、疲労感が続きました。毎週行っている青山一丁目までのランニングでのパーソナルトレーニングも、その日はランニングどころか、自転車で行くのが精一杯でした。トレーニング中も体が思うように動かず、その後のテント泊の北アルプス縦走は中止し、休むことにしました。
休むと決めた途端、布団から動けなくなり、ゴロゴロと過ごすことになりました。ちょうどその週末、TJAR2024(トランスジャパンアルプスレース)が始まりました。TJARは日本最高峰のエンデュランスレースで、布団の上から応援しながら、咳き込んでいる休暇となってしまいました。
コロナを疑うほどの倦怠感もありましたが、テストは陰性でした。
この体調不良を次に繋げないためにも、2024年の練習メニューを見直すことにしました。
練習量の振り返り
カロスのトレーニングハブで、5月末から8月までの練習を振り返ってみました。
6月29日に開催されたサロマ湖100kmに向けて、練習を重ねてきました。
大会に向けては、3週間を練習量を減らして挑みましたが、その後大会の翌週に、サロマの疲れをしっかり休まずに次のトレーニングに取り組んでしまったことも、体調を崩す原因になったと感じています。
サロマ湖の時に
オレンジ色の負荷比率のラインが振り切ってしまっています。
この後練習を、2週間だけ抑えると良かったのですが。。。
サロマまで。
5/20: 80分LSD
5/21: 2000m×2本
5/22: 6km水曜飛脚
5/23: 8kmビルドアップ+WS
5/26: 50kmペース走(5’50”)
5/28: 50分ビルドアップ(6’30″→6’00″→5’39″→5’18″→5’00″)※乳酸閾値65%〜90%まで5%アップ
5/29: 6km水曜飛脚
5/30: 1000m(4’10”)+2000m(4’20”)
6/2: 30kmペース走(5’50”)
6/3: 10kmジョグ
6/4: 8kmビルドアップ(5’00″→4’50”→4’40″→4’30″、2kmずつ)
6/5: 6km水曜飛脚
6/9: 50kmペース走(5’50”)
6/10: 40分ジョグ
6/11: ペースラン8km(4’45”)
6/13: インターバル2000m(4’20”)+1000m(4’10”)
6/16: レースペースジョグ12km(5’50”)
6/18: 八ヶ岳縦走15km
6/19: 水曜飛脚
6/21: 20分ビルドアップ(5’20″×10分→5’00″×10分)+1000m(4’00”)×2本
6/22: 10kmレースペース(5’50”)
6/26: 水曜飛脚
6/28: 2000m(4’20”)
安静時心拍の乱れが、1番体調の変化と直結していました。
サロマウルトラマラソン100km(6月29日)の直前には、八ヶ岳縦走や2000m+1000m×2本の練習で調整し、安静時心拍を抑えていました。しかし、サロマの疲労を引きずったまま次の練習に突入してしまいました。
サロマ以降の練習を振り返ります。
※黄色のラインが強度が高い練習です。
7/3 水曜飛脚6km
7/7 SUP横浜+ゼロ富士ゼロ80km
7/10 水曜飛脚6km
7/14-7/16 北アルプス縦走(55km)
7/17 水曜飛脚6km
7/22 1000m(4’20”)+2000m(4’30”)インターバル
7/23 10kmジョグ
7/24 水曜飛脚6km
7/26 富士登山競走15km+富士山登頂28km(五合目→山頂→富士山駅)
7/28 富士山一筆書き(51km)
7/31 水曜飛脚6km
8/4 南アルプス縦走28.21km
8/5 ジョグ5km
8/7 水曜飛脚6km
8/10〜8/14 お盆休み(寝込む)
心拍が安定しない状況で、少し練習を休めば良かったので、今後はこの指標を守るようにします。
ついでに、HRVという心臓のストレスもチェックできるので確認してみるとやはり。。。
サロマウルトラ(6/30)、ゼロ富士ゼロ(7/7)、北アルプス縦走(7/16)の後の疲労が現れてます。
今後負荷を上げる時は、
・HRVの乱れ
・安静時心拍(起床時)
・起床時の疲労感
・睡眠の質
この4つは常に意識していきます。
2024年1月〜7月トレーニング量の推移
2024年は、しっかり練習してきたので、練習量を見てみてくなりました。
3月3日東京マラソン
3月30日 ハセツネ30km
3/3 東京マラソン
3/6 水曜飛脚6km
3/9 40分ジョグ
3/10 60分ジョグ+WS3本
3/11 80分LSD
3/13 水曜飛脚6km
3/16 30分ジョグ
3/17 高尾山ハイキング
3/18 ハセツネ30km試走
3/19 30分ジョグ+WS×5
3/20 水曜飛脚6km
3/21 UPHILL 200m×10
3/24 30jog×WS5本
3/25 8km ビルドアップ(5’00″→4’50″→4’40“→4’30)+WS3本
3/26 30ジョグ+WS5本
3/27 水曜飛脚6km
3/29 UPHILL 200m×8
3/30 ハセツネ30km
安静時心拍数を入れたデーターで練習状況を比較します。
・東京マラソンの後、安静時心拍が上がっている。
サロマ湖と同様ですが、しっかり休息しているのが違いですね。
やはりレースの後にはしっかり休息が必要ですね。
まとめ
今回のオーバートレーニングによる体調不良は、トルデジアンに向けての過剰なトレーニングと、サロマウルトラマラソン100kmの疲労を適切にリカバリーできなかったことが原因でした。心拍数の変化やHRV(心拍変動)の乱れが、体調と直結していることを改めて実感しました。
今後は、以下の4つの指標をしっかりと管理しながら、体調を維持していきます。
- HRVの乱れ:心臓のストレスをチェックする重要な指標。
- 安静時心拍:起床時の心拍数で疲労の度合いを把握。
- 起床時の疲労感:疲労が溜まっていると感じたら無理せず休息を取る。
- 睡眠の質:十分な休息を取ることで、体の回復を促進。
特にレース後の休息がどれだけ重要か、今回の経験を通じて身をもって学びました。2024年も引き続き挑戦を続けますが、体調管理を最優先にし、無理なくトレーニングを積み重ねていきます。皆さんも、ぜひ自分の体と対話しながら、健康的なトレーニングを心がけてください。
次回は、トルデジアン本番の様子をお伝えできるよう、しっかりと準備を進めていきます。
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家(R)仲野孝明
コメントを残す